ALFP関連プログラム
ALFPでは、本プログラムの他に、様々な関連プログラムを実施しております。2004年以降に行われたALFP関連プログラムは以下の通りです。
- パネル ディスカッション「東洋の女性−オリエンタリズムの創る神話を超えて」 (2005年9月26日)
- International Convention of Asia Scholars (ICAS) 4 in Shanghai (2005年8月20日-24日)
- 公開講座「ブータンに見るグロス・ナショナル・ハッピネス (GNH)」 (2004年11月11日)
- 国際シンポジウム「戦争と市民―アジアで続く武力紛争に対して私達は何をすべきか?」 (2004年10月30日)
- 2001年度フェローによるプロジェクト "Linking Media and Research: Migration Case Study"
パネル ディスカッション 『東洋の女性−オリエンタリズムの創る神話を超えて』
(2005年9月26日 学士会館)2005年9月26日に、国際文化会館とジャパン・ソサエティの共催(協力:国際交流基金)で表題のパネル・ディスカッションが開催されました。このパネルは、国際文化会館が主催または協力する2つのフェローシップ・プログラムに参加したフェローを招いて行われたもので、ALFPからは2000年度フェローのウルワシー・ブターリア氏がパネリストとして参加しました。
パネルでは、初めに米ジャーナリストのシェリダン・プラッソ氏(2003年度日米メディア・フェローズ・プログラムで来日)が、今年刊行した著書 "The
Asian Mystique: Dragon Ladies, Geisha Girls, & Our Fantasies of the Exotic
Orient" (Public Affairs, 2005) の内容に基づいて講演。ハリウッド映画に代表される欧米のメディアによって誇張され、定着した、「服従的・従順・性に奔放」あるいは「猛女」といった二極化されたアジア女性のイメージは誤ったステレオタイプであるとし、こうしたステレオタイプが生まれた歴史・社会背景を明らかにすると同時に、人々を、国籍などによって括るのではなく、一人一人の人間として見ることが重要だと訴えた。
続いて登場したブターリア氏は、プラッソ氏が語るアジア(東アジア・東南アジア)と、ブターリア氏が属するアジア(南アジア)との間には大きな違いがあり、果たして(アジア女性、などといった)「地域アイデンティティ」なるものは存在するのかと疑問を投げかけた。またブターリア氏は、「ステレオタイプ」によって、人々を「箱詰め」にし、レッテルを貼ることによって我々が犯している「暴力」についても言及。他者から向けられるステレオタイプも、自己に向けるステレオタイプ(すなわちアイデンティティ)も、我々から力を奪うものになりうるとし、表象される側の人間も、その「ステレオタイプ」が自分たちにとって何を意味するのか考え、時にはそのステレオタイプを打ち破るために立ち上がらなくてはならないと述べた。二人の討論の後に行われた質疑応答では、聴衆から多くの批評的な意見・質問が出された。
(左から)竹中千春氏(モデレーター;明治学院大学教授)、ブターリア氏、シェリダン・プラッソ氏(パネリスト;ジャーナリスト)
ICAS4
(2005年8月20日-24日 中国上海・上海展覧中心)ALFP2004年度フェローは、2005年8月20日から24日の間、中国・上海で行われた International Convention of Asia Scholars (ICAS) 4に参加した。ICASはオランダ・ライデン大学内にある International Institute for Asian Studies (IIAS)が主催し、「学問領域・研究対象国・アジア研究者たちの出身国などの境界を越えた」対話・議論の場として世界中のアジア研究者たちを集めている。4回目となる今回のICASは上海社会科学院がホストとなり上海で行われた。ICASに関するより詳細な情報はこちら。
[団体パネル "Identity, Security and Democracy: Contradictions in a Globalizing Asia"]
ALFPは2004年度フェローのICASへの参加を、ALFP関連プログラムと位置づけ、 "Identity, Security and Democracy: Contradictions in a Globalizing Asia"と題した団体パネルの登録を行った。パネル発表では、2004年度フェローのうち5名のフェロー(草郷孝好氏、キンレイ・ドルジ氏、カリーナ・アフリカ・ボラスコ氏、セパリ・コテゴーダ氏、グェン・ヴァン・チン氏)が以下のテーマでプレゼンテーションを行った:
- 草郷 孝好 "Rethinking Quality of Economic Growth with People's Life Satisfaction in Post-WWII Japan" & キンレイ・ドルジ "Gross National Happiness in Bhutan" (共同発表)
- カリーナ・アフリカ・ボラスコ "A Sense of Asia in Filipinos"
- チャンドリカ・セパリ・コテゴーダ "Rescue, Violence and Discrimination in a Disaster: An Exploration of Gendered Behaviour and Gender Policy in the Aftermath of the 2004 Indian Ocean Tsunami Disaster and the Recovery Phase in Sri Lanka"
- グェン・ヴァン・チン "Children in Domestic Service: Another Childhood Narrative"
ALFPパネルには多くの聴衆が訪れ、各プレゼンテーションの後には活発な議論が交わされた。
[ALFPブース]
ICASの期間中、ALFP事務局スタッフはALFPのブースを開き、プログラムの宣伝・広報活動を行った。ALFPブースには多くのICAS参加者が訪れ、プログラムの活動への高い興味を示した。ブースでは過去のプログラム報告書、ALFPディレクトリ、ALFPパンフレットなどが展示、配布された。
*ICASの写真はこちらをクリックして下さい。
早稲田大学COE-CAS「アジアの社会開発」研究会 公開講座
ブータンに見るグロス・ナショナル・ハッピネス (GNH)
〜人間開発の新しいパラダイム ブータン。
(2004年11月11日 早稲田大学)
どのようなイメージがこの国名から喚起されるだろうか?過去数世紀に渡り外界に自ら扉を閉ざしたその鎖国政策により、"オリエンタリズム"的言説の中で過度に単純化され現実味を欠いた一面的なイメージが構築されてきたヒマラヤの秘境ブータン。メディアによるその表象は神秘主義的なものやロマン主義的要素に彩られたもので、仏教僧の異国情緒に満ちた国とか山々に囲まれた君主国とかのイメージなどであるが、果たして現実はどうなのだろうか? 世界で最も多い人口をもつ国、中国及びインドに挟まれたヒマラヤ山脈の王国ブータンは一人あたりの国民所得はわずか760ドルでLLDC(最貧国)に分類され、人口も70万人の小国と見なされているが、国土や国民総生産のその限られた規模にも関わらず、ブータンはここ数年脚光を浴びており、開発の在り方を考える上で新しいモデルを提供しうる国として浮上してきている。それは、ブータンの国策として推進されているグロス・ナショナル・ハッピネス(GNH)に起因するものである。GNHの中核となっているその概念的枠組みは、社会経済的発展、多様な文化の尊重、精神的・心の豊かさのバランスの取れた追求である。加速化するグローバル化や社会の同質化のとどまることを知らない勢いに対抗し、他と異なることでその波に飲み込まれぬよう、その独自の文化的アイデンティティを保持している。 今回の講演では、ブータンの国策として、また、人間開発のオルタナティブとしてのグロス・ナショナル・ハッピネス(GNH)の基本概念について論じていただき、20世紀の近代化を通じて失ってしまったもの、人間にとって真の幸福とはなにかを再考する一助としたい。
講師: キンレイ・ドルジ、Kuensel 新聞社専務理事/編集長
日時: 2004年11月11日(木) 18:00-20:00 (入場無料、逐次通訳あり)
場所: 早稲田大学7号館小野記念講堂 (〒169-0051 東京都新宿区西早稲田 1-6-1)
主催: 早稲田大学COE-CAS「アジアの社会開発」研究会
協力: 独立行政法人国際交流基金、財団法人国際文化会館
問合せ: 早稲田大学政治経済学部、西川研究室
TEL: 03-3203-4141 FAX: 03-3203-9816
恵泉女学園大学大学院第4回国際シンポジウム
戦争と市民―アジアで続く武力紛争に対して私達は何をすべきか?
(2004年10月30日 恵泉女学園大学大学院)
恵泉女学園大学大学院人文学研究科(国際社会文化専攻)は、毎年多摩フェスティヴァルに合わせて、国際シンポジウムを開催してきました。今年は第4回目を迎え、昨年の「世界平和とキリスト教の功罪―過去と現在」に引き続き、「戦争と市民―アジアで続く武力紛争に対して私たちは何をすべきか」をテーマにして行います。今回は、国際交流基金及び国際文化会館共催の「アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム」の協力を得ることができました。 20世紀後半の冷戦構造が崩壊し、21世紀に入ってからも、アジア各地ではさまざまな規模での戦争が繰り返されています。あるものは軍事帝国アメリカによる「反テロ」戦争であり、日本もこの戦争に加担しています。また、別のものは植民地時代にその原因が作られた民族間紛争です。いざ戦争となれば大きな被害を蒙るのは、動員された兵士だけでなく、ごく普通の生活をする市民たちです。アジアの各地で、民主化闘争を通して市民社会を建設する力も確実に強まってきており、市民は数の上では圧倒的に多いのに、どうしてその力を結集して戦争を阻止できないのでしょうか? シンポジウムには、3人の海外ゲストを招待しました。李鍾元先生は、韓国から来日し、今は立教大学で国際政治学を教えながら、韓米日を軸とする東アジアの安全保障問題を考えておられます。ジャムハリ先生は、インドネシアの国立イスラム大学イスラム社会研究センター所長として、イスラム社会における民主主義の普及や、民主主義に挑戦する宗教原理主義の問題に取り組んでおられます。また、チャンドリカ・セパリ・コテゴーダ先生は、スリランカにおける男女共同参画社会の実現にむけて行動しつつ、紛争の原因ともなるジェンダー問題解決に取り組んでおられます。大学からは石井摩耶子研究科長がパネリストの一人として参加し、共にアジアにおける市民社会の役割とグローバル化、そして戦争のない社会に向けてのビジョンを議論していきたいと考えています。皆様の自由な参加をお待ちします。
パネリスト:
李鍾元 (立教大学大学院教授)
ジャムハリ (インドネシア国立イスラム大学イスラム社会研究センター所長)
チャンドリカ・セパリ・コテゴーダ (女性とメデイア共同体代表)
石井摩耶子(恵泉女学園大学大学院研究科長、教授)
総合司会・コーデイネーター:
上村英明、恵泉女学園大学大学院助教授
大橋正明、恵泉女学園大学大学院教授
日時: 2004年10月30日(土)13:00-16:00 (入場無料、同時通訳あり)
場所: 恵泉女学園大学大学院J-202教室 (〒145-0071東京都多摩市南野 2-10-1)
主催: 恵泉女学園大学大学院
協力: 独立行政法人国際交流基金、財団法人国際文化会館
問合せ:恵泉女学園大学大学院
TEL: 042-376-8211 / FAX: 042-376-8218
URL: http://www.keisen.ac.jp/univ/index.htm

