これまでのJapan@IHJ
太平洋の架け橋:日米野球交流と文化外交

講師: 清水 さゆり(ミシガン州立大学教授)
司会: ロバート・ホワイティング(ジャーナリスト)
日時: 2012年3月23日(金) 7:00 pm-
会場: 国際文化会館講堂
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
今春、東京で予定されているシアトル・マリナーズとオークランド・アスレチックスの開幕試合は、3.11東日本大震災後の復興に対する米国メジャーリーグによる支援の姿勢を打ち出しています。1949年「米国の野球大使」レフティ・オドール監督率いるサンフランシスコ・シールズが、1949年日本を対戦巡業をし、敗戦で疲弊した日本人の心を鼓舞したことは、その前例です。本講演では、刊行予定の Transpacific Field of Dreams: How Baseball Linked the U.S. and Japan in Peace and War (University of North Carolina Press, 2012) に基づき、日米野球交流史の中の、歴史的に重要なその1章を再考します。
略歴:清水 さゆり
コーネル大学歴史学部にて博士号取得。専門は米国史、おもに米国外交史、国際関係史。日米センター・SSRC安部フェロー(2003-2004)、フルブライト・フェロー(1986-1988)、
フルブライト上級研究員(アメリカ側派遣、2010)。主な著書に、Creating People of Plenty: The United States and Japan’s Economic Alternatives, 1950-1960 (Kent: The Kent State University Press, 2001) など。今後の刊行予定書にPacific Crossings: U. S.-Asian Relations in a Changing World, 1850-2000 (Sage, forthcoming in 2012) など。
君臨する企業の法則:日本への教訓
講師: マイケル ・A・クスマノ
(マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院教授)
司会: 西口 敏宏(一橋大学教授)
日時: 2012年1月17日(火) 7:00 pm-
会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
クスマノ氏はハーバード大学にて博士号取得。専門は、ソフトウェアや自動車産業におけるマネージメントや起業家精神で、ソフトウェア工学・企業研究の権威。ハイテク産業で世界の主要企業のコンサルタントなども務める。主な邦訳書に、『マイクロソフト・シークレット――勝ち続ける驚異の経営』(日本経済新聞社 1996)など。近刊予定書に『君臨する会社「6つの法則」:戦略のベストプラクティスを求めて』(日本経済新聞社、2012年1月刊行予定)。デジタル・テクノロジーによる著しい変化に企業はどう対応し、いかに更なる飛躍を遂げることができるのか、長年グローバル企業の経営や慣行を研究されてきたクスマノ氏に論じていただきます。
新しい日本の建築:近年の作品と新しい潮流

講師: ギータ・メータ(コロンビア大学非常勤教授)
ディアナ・マクドナルド(美術史家・建築史家)
司会: 鈴木エドワード(建築家)
日時: 2011年9月28日(水) 7:00 pm-
会場: 岩崎小彌太記念ホール
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
今日、日本建築はグローバル・トレンドの最先端にあります。ホワイト・キューブ、大胆なフォルム、技術革新、そしてこれまで以上に、よりいっそう持続可能な建築への未だかつてない動きがみられます。ここでは、伝統的な日本建築の技術と形態が、次世代の世界的な最先端デザインを伝えています。本講演では、メータ氏とマクドナルド氏の新刊 New Japan Architecture (Tuttle Publishing, 2011) を基に、主要な未来のトレンドをたどりながら、日本における最新の住宅建築、公共建築、商業建築の優れた実例についてお話しいただきます。
ギータ・メータ:
コロンビア大学建築・都市デザイン科非常勤教授。ブラデン&メータ・デザイン事務所代表。スクール・オブ・プランニング・アンド・アーキテクチャー(デリー)で建築学士号、コロンビア大学で建築・都市デザイン修士号、東京大学で建築博士号を取得。
ディアナ・マクドナルド:
カナダ生まれ、東京在住の美術史家・建築史家およびライターとして活躍。中世およびルネサンス美術・建築を専門とし、ブダペストの中央ヨーロッパ大学で修士号、モントリオールのマギル大学で博士号を取得。文化・遺産に関する氏の学際的な研究は、プラハでは、建築と美術に関する著作として、ニューヨーク、パリ、直近では東京で、芸術に関する著作として結実している。
鈴木エドワード:
建築家。ハーバード大学で建築・都市デザイン修士号を取得。バックミンスター・フラー&サダオ事務所、イサム・ノグチ スタジオ、丹下健三都市建築設計事務所を経て、1977年鈴木エドワード建築設計事務所を設立。主な受賞として、建築士会住宅賞、グッドデザイン賞(旧通産省)など多数。
刊行から100年『遠野物語』が問いかけるもの
【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.22, No.2, 2011に掲載されています。】

講師: ロナルド・A・モース(CEO, アナポリス・インターナショナル)
司会: 上杉 富之(成城大学教授/ 民俗学研究所グローカル研究センター長)
日時: 2011年7月20日(水) 7:00 - 8:30 pm
会場: 岩崎小彌太記念ホール
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
日本における民俗学の礎を築いた柳田國男の代表作『遠野物語』が刊行されて昨年で100年を迎えました。岩手県遠野に見られる農村生活に根付いた文化や宗教的伝統の価値を見出す一方、柳田は近代化が日本にもたらす影響についての洞察という面で現実主義者でした。1923年関東大震災の際、国際連盟の仕事でロンドンにいた柳田は、すぐに帰国し、震災後の惨状を目の当たりにし驚愕しました。第二次大戦の際も同様でした。柳田が今日この場にいたとすれば、このたびの東日本大地震をどう見たでしょうか。本プログラムでは、『遠野物語』の英訳者で過去40年に亘り遠野の変容を見続けてきたモース氏をお迎えし、環境、社会、文化の側面で、今日の日本が直面している課題について、柳田研究を通して見えてくるものを論じていただきます。
ロナルド・A・モース:
1938年米国ニューヨーク市生まれ。プリンストン大学大学院日本研究博士課程修了(柳田國男と民俗学を研究テーマとする)。米国議会図書館館長特別補佐官、経済戦略研究所(ESI)副理事長、メリーランド大学国際プロジェクト部長、ウッドロウ・ウィルソン・国際センター・アジア・プログラム所長、カリフォルニア大学(UCLA)教授などを歴任。主な 著書に、『「見えない資産」の大国・日本:中国、アメリカにはない強みとは』(共著、祥文社、2010年)、『目をさませ、日米関係』(共著、PHP研究所、1995年)、『近代化への挑戦:柳田國男の遺産』(日本放送出版協会、1977年)など。
ビッグ・フォー以前のオートバイ業界
戦後日本における競争と産業政策(1945-1970)

講師: ジェフリー・W・アレクサンダー
ウィスコンシン大学(パークサイド校)准教授
司会: 藤本 隆宏(東京大学大学院経済学研究科教授)
日時: 2011年7月5日(火) 7:00 - 8:30 pm
会場: 国際文化会館 講堂
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
これまで戦後日本の経済成長と産業政策は、通産省(MITI;現・経済産業省)や成功を収めた企業に焦点を当てて研究されることが主流でした。この側面からの研究が世界中のMBAプログラムの文献に色濃く反映され、こうした成功物語に惹きつけられることによって、一方向の勝ち組の歴史のみが突出することとなりました。
しかし、ホンダ、ヤマハ、スズキやカワサキなどの大手メーカーによって廃業に追い込まれたオートバイメーカーは200以上あり、それらのいくつかを率いた起業家の証言からは、戦後日本の産業界が、文献で書かれているよりも複雑で、組織化され、厳しい競争にさらされていたことがうかがえます。熾烈な価格戦争、紳士協定の破綻、産業主導の過酷な競争により1970年までに多数のメーカーが廃業を余儀なくされました。日本の自動車産業部門を国際市場の中で競争させる通産省の試みは、その後考え出されたに過ぎないのです。本講演では、戦後日本のオートバイ業界の成功の裏にあるもう一つの物語について、アレクサンダー氏に論じていただきます。
ジェフリー・W・アレクサンダー:
ブリテッシュ・コロンビア大学にて博士号取得。日本の製造業の変遷を通じた歴史研究に取り組んでおり、主な著書に、Japan's Motorcycle Wars: An Industry History (UBC Press & University of Hawai'i Press, 2008)など。現在、日本のビール産業に関する本を執筆中。
朝鮮半島情勢の安定化と米日韓による三カ国協力

講師: ピーター・ベック(外交問題評議会(CFR)/日立フェロー)
司会: 添谷 芳秀(慶應義塾大学教授)
日時: 2011年5月18日(水) 7:00 pm-
会場: 国際文化会館 講堂
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
昨今の中国と北朝鮮両国の挑戦的な姿勢や行動は、安全保障面での米日韓の協力を促進する機会となっており、三ヵ国の首脳陣は、人道的支援や人権問題を含む、さまざまな課題について協力して取り組むことで合意しています。本講演では、ベック氏に過去数年間の三ヵ国協力を検証しながら、さらなる取り組みが要求される領域や協力を促す制度的な仕組みの創出の可能性について論じていただきます。
ピーター・ベック:
現在、慶應義塾大学東アジア研究所にて外交問題評議会(CFR)/日立フェローとして研究活動に携わる一方で、ワシントンD.C.のアメリカン大学やソウルの梨花女子大学で教鞭をとる。また、スタンフォード大学アジア太平洋研究センターの研究員や韓国経済研究所(ワシントン)の研究・学術部長、韓国統一省の政策諮問委員などを歴任。
写真家 石元泰博と戦後日本モダニズム芸術:『桂』を中心に
講師: 石元 泰博(写真家)
聞き手:中森 康文(米国ヒューストン美術館写真部門キュレーター)
日時: 2011年4月6日(水) 7:00 pm-
会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
会費: 無料(要予約)
用語: 日本語(通訳なし)
(C) Ishimoto Yasuhiro, From the series “Katsura” (1953-54)
Collection of the Museum of Fine Arts, Houston
2009.2.17 Gift of the artist in memory of Ishimoto Shigeru
戦後日本を代表する写真家として世界的に名高い石元泰博氏をお招きし、美術史家でヒューストン美術館写真部キュレーターの中森康文氏と共に、1960年発行の石元氏と丹下健三氏による『桂―日本建築における伝統と創造』を中心に日本の戦後モダニズム芸術・建築と氏の写真の接点を再考します。石元氏は、街にあふれる題材をデザイン構成的に捉える特有の構図や、多重露光のテクニックを通して、日本におけるモダニズム写真とその造形思考・教育を定着させるうえで重要な役割を果たしてきました。本プログラムでは、石元氏の仕事を1950年代の日本における「伝統論争」などの歴史的なコンテクストに位置づけながら、バウハウスが戦後日本の芸術や建築に与えた影響、氏の写真の普遍的魅力の根源を探究します。
石元 泰博:
写真家/1921年サンフランシスコ生まれ。1952年、シカゴ・インスティテュート・オブ・デザイン(現・イリノイ工科大学)写真学科卒業。1953年日本に戻り、桂離宮の撮影を開始。1961年以降、日本を基点に活躍。受賞歴:ヤング・フォトグラファーズ・コンテスト、ライフ誌(1950年)、モホリ=ナギ賞(1951年、52年)、第1回日本写真批評家協会作家賞(1957年)、カメラ芸術賞(1962年)、芸術選奨文部大臣賞(1978年)、日本写真協会年度賞(1978年)、紫綬褒章(1983年)、アルル名誉市民賞(1994年)、文化功労者(1996年)など。
主な作品集に、写真集『石元泰博 桂離宮』(六耀社2010)、『刻』(平凡社2004)、『YASUHIRO ISHIMOTO』(シカゴ美術館1999)、『石元泰博展シカゴ、東京』(東京都写真美術館1998)、『シカゴ、シカゴ』(美術出版社1969)、『桂―日本建築における伝統と創造』(丹下健三/ ウォルター・グロピウス共著、エール大学・造形社1960)、『ある日ある所』(芸美出版社1958)など。
中森 康文:
米国ヒューストン美術館写真部門キュレーター。『桂―日本建築における伝統と創造』を分析する著書Katsura: Picturing Modernism in Japanese Architecture, Photographs by Ishimoto Yasuhiro (Yale University Press, 2010)は米国大学美術協会より2011 Alfred H. Barr, Jr. Award の一部門を受賞。美術史博士(近代美術・建築史)。
紀元二千六百年:戦時期の近代性を再考する
【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.22, No.1, 2011に掲載されています。】
日時: 2011年1月19日(水) 7:00 - 8:30 pm
講師: ケネス・J・ルオフ/ポートランド州立大学教授
司会: 戸谷 由麻/ハワイ大学マノア校准教授
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
本講演は、ルオフ氏の新著に基づくもので、1940年の大日本帝国建国2600周年記念に焦点を当てながら、戦時期の近代性を考察します。日中戦争や日米関係の悪化に端を発する太平洋戦争の戦時体制までの歴史を、暗い谷間としてのみ捉えるのではなく、紀元二千六百年を契機とした観光や消費文化への市民意識の高まりなどにみられるような、陰の側面とは異なる別の視点―戦況が日本に不利になるまで、市民生活は比較的快適に営まれていた―から再考します。
ケネス・J・ルオフ
コロンビア大学にて博士号取得(日本史専攻)。現代日本における天皇制研究で名高い。ハーバード大学ライシャワー日本研究所を経て、現職。日本近代史、日米関係、日系アメリカ人研究など幅広く日本研究に従事している。主な著書に、『国民の天皇 戦後日本の民主主義と天皇制』(共同通信社2003、大佛次郎論壇賞)、『紀元二千六百年―消費と観光のナショナリズム』(朝日新聞出版2010)など。
終わらない日本の「戦後」:米国における日本学の形成と日米関係
日時: 2010年10月28日(木) 7:00 pm
講師: ハリー・ハルトゥーニアン/ニューヨーク大学名誉教授
司会: 越智 敏夫/新潟国際情報大学教授
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
ミシガン大学にて歴史学の博士号(Ph.D.)を取得。専門は近世日本思想史。シカゴ大学で25年間教鞭を執った後、2000年より現職。日本の歴史研究で世界的に名高い。本講演では、冷戦下で独自の発展を遂げた米国における地域研究としての『日本学』の形成に光をあて、過去65年間今なお続く日本の『戦後』の意味合いを考察しながら、日米関係を再考します。主な邦訳著書に『歴史と記憶の抗争』(みすず書房2010年)、『近代による超克:戦間期日本の歴史・文化・共同体(上・下)』(岩波書店2007年)など。
グローバル金融危機からいかに日本を救うか
【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.21, No.2, 2010に掲載されています。】
日時: 2010年7月6日(火) 7:00 pm
講師: 浜田宏一 (イェール大学経済学部教授)
司会: ロバート・デュジャリック(テンプル大学ジャパンキャンパス 現代アジア研究所所長)
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
協力: テンプル大学ジャパンキャンパス 現代アジア研究所
2007年のサブプライムローン危機、2008年のリーマン・ショック、そして今春に入ってからのギリシャの財政危機と、世界中に金融危機が派生し、市場経済の脆弱性、金融政策の対応の不十分さ、そして景気変動の国際間の連動性が浮き彫りになっています。多くの主要国の中央銀行は、自国への悪影響を回避するために貨幣供給と実質為替レートの切り下げという対応を行いました。本プログラムでは、内閣府で日本のマクロ政策の策定にも関わられた浜田氏をお迎えし、世界経済危機の背景および中央銀行の役割をご説明いただくとともに、グローバル金融危機から日本を救う鍵は金融政策、為替政策にあるという同氏の主張をお話しいただきます。
浜田宏一 1936年生まれ。専門は日本経済・国際金融、法と経済学。法学士・経済学修士(東京大学)、経済学博士(イェール大学)。東京大学教授を経て1986年より現職。内閣府経済社会総合研究所初代所長(2001-03)、小泉元首相の構造改革を促進するために設立された経済財政諮問会議も陪席、国際通貨基金(IMF)の拡大構造調整ファシリティ(ESAF)の外部評価員および世界貿易機関(WTO)総長の諮問メンバーなどを歴任。現在、安倍フェローシップにより金融政策を決定する政治経済プロセスの日米比較について研究中。
ロバート・デュジャリック ハーバード大学(政治学)卒。イェール大学MBA取得。ザ・ファースト・ボストン・コーポレーション、ユーロモビリア、ゴールドマン・サックス・インターナショナルM&A部門を経て、日立 Council on Foreign Relations Fellow、日本国際問題研究所客員研究員などを歴任。主著にAmerica’s Inadvertent Empire (Yale University Press, 2004, 共著)など。
現代日本に受け継がれた江戸の遺伝子
日時: 2010年6月9日(水) 7:00
pm
講師: 徳川恒孝 (徳川宗家第18代当主/元日本郵船株式会社副社長)
司会: ベティーナ・グラムリヒ・オカ(上智大学国際教養学部助教授)
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
徳川将軍家が鎖国政策をとり、封建制度を確立した江戸時代。海外の人々の目には保守的で閉ざされた世界として映っていたのではないでしょうか。本プログラムでは、徳川宗家第18代当主である徳川恒孝氏が、徳川家の末裔として、また日本の高度成長期に海外の第一線で活躍してきたビジネスパーソンの視点から、江戸時代について語ります。特にこの時代の平等主義的で平和な社会、様々な階層や年齢層に対する教育システムの構築、社会における公儀(公)の重要性、役人の意義および持続可能な開発についてなど、現代日本に継承されている点にふれながらお話しいただきます。
徳川恒孝 1940年東京生まれ。徳川宗家第18代当主(1963年より)。学習院大学政経学部政治学科卒業。日本郵船副社長を務め、2002年に退社。2003年に(財)徳川記念財団を設立し、同財団理事長に就任。(社)東京慈恵会会長。(財)WWF 世界自然保護基金ジャパン会長。学生時代には2年間ロンドンに留学、また通算6年間ニューヨークに駐在。著書の『江戸の遺伝子』(PHP研究所 2007)の英語版が、国際文化会館の出版事業であるI-House Press*からThe Edo Inheritanceとして2009年に刊行された。
ベティーナ・グラムリヒ・オカ ドイツのテュービンゲン大学にて博士号(日本研究)取得。専門は、幕府の貿易規制、徳川時代の女性史など。主著にThinking Like a Man: Tadano Makuzu (1763-1825) [男魂を持つと言われた只野真葛 (1763-1825)](Brill 2006)。編著として、Economic Thought in Early Modern Japan [「近世日本における経済思想」の共編者] (Brill) を近日刊行予定。
I-House Press とは: 海外における日本理解の増進を目的として、好評を博した日本人による名著および国際文化会館のプログラム活動による成果を、より広く一般に英語で発信する国際文化会館の事業です。
http://www.i-house.or.jp/jp/publications/ihousepress/index.html
捻じ曲げられた桜:平和・戦争を通じて
日時: 2010年3月31日(水) 7:00
pm
講師: 大貫恵美子/ウィスコンシン大学ウィリアムF. ヴァイラス研究講座専任教授;米国議会図書館近代文化研究特任教授
司会: 太田好信(九州大学大学院比較社会文化研究院教授)
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
神戸生まれ。ウィスコンシン大学にて博士号(Ph.D.)を取得。日本のアイデンティティの象徴(シンボル)としてのコメや桜を比較の観点から広く社会・政治的なコンテクストで解釈した、文化人類学者としての日本の歴史研究で世界的に名高い。主な、著書に『学徒兵の精神誌』(岩波書店、2006年);『ねじ曲げられた桜:美意識と軍国主義』(岩波書店、2003年);『コメの人類学:日本人の自己意識』(岩波書店、1995年);『日本人の病気観』(岩波書店、1985年)などがあります。本講演では、日本人のアイデンティティの一つのシンボルである『桜』に対する美意識とナショナリズムの問題について考えます。
第二次世界大戦の原点とこれからの米国−アジア関係
『硫黄島の星条旗』のベストセラー作家による講演
日時: 2010年3月29日(月) 7:00 pm
講師: ジェームズ・ブラッドリー/作家
司会: 奥田暁代/慶應義塾大学教授
会費: 無料(要予約)
用語: 英語/日本語(同時通訳付き)
共催: 国際文化会館、ボストン日本協会、アメリカ大使館
ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー作家のジェームズ・ブラッドリー氏が、新著The
Imperial Cruise: A Secret History of Empire and War (Little, Brown
& Co., 2009) について講演いたします。
現在ベストセラーとなっているThe Imperial Cruiseは、セオドア・ルーズベルトが、日米外交を人種理論を基に行い、また、議会やノーベル賞選考委員会(ルーズベルトは1906年にノーベル平和賞を受賞)に知らないところで、日本の大韓帝国(韓国)の支配権を認める協定を日本政府と交わしていたことなどを明らかにしています。ニューヨーク・タイムズ紙は、「The
Imperial Cruiseは、セオドア・ルーズベルト大統領に対する従来の評価を新たにするほどの衝撃である」と評しています。
ジェームズ・ブラッドリー:太平洋を舞台にした歴史ノンフィクションを専門とする米国人作家であり、歴史家。父親であるジョン・ブラッドリー氏は、ピュリツァー賞を受賞した報道写真「硫黄島での国旗掲揚」に写っている星条旗を掲げた6人のアメリカ兵のうちの1人である。上智大学に留学経験もある。米国の高校生を日本および中国に派遣することによりアメリカとアジアの相互理解を醸成することを目的としたジェームズ・ブラッドリー平和財団の理事長も務める。氏の一番のベストセラーである『硫黄島の星条旗』(文春文庫 2002年)は、硫黄島の戦いにおけるこの6人のアメリカ兵の物語である。本作品は、クリント・イーストウッド監督により「父親たちの星条旗」として2006年に映画化された。氏の二つ目の著作であるFlyboys:
A True Story of Courage (Little, Brown & Co., 2003) は、硫黄島の戦いで父島の攻略中に撃墜された9人のアメリカ軍パイロットを中心に描いている。このうち1人だけ日本軍の捕虜とならず生還したのが、ジョージH・W・ブッシュ中尉(元大統領)だった。
奥田暁代:慶應義塾大学法学部教授。専門は、アメリカ文学、アメリカ研究。著作に『物語のゆらめき――アメリカン・ナラティヴの意識史』(共著、南雲堂) 、『記憶を紡ぐアメリカ――分裂の危機を超えて』(共著、慶應義塾大学出版会)、『クー・クラックス・クラン 革命とロマンス』(共訳、水声社)など。
近代を縫い合わせる〜20世紀日本におけるミシン・女性・消費者
日時: 2010年3月17日(水) 7:00
pm
講師: アンドルー・ゴードン/ハーヴァード大学教授
司会: 吉見俊哉/東京大学教授
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
本講演では、日本の20世紀近代史における消費という考え方の登場に焦点を当て、シンガー社製ミシンの日本における受容と、それがもたらした「家族」という近代の概念を論じます。日本人の生活の一部として普及したミシンと関連した近代の消費文化の多面性を検証しながら、“戦時下近代”および戦後消費志向型社会の台頭について考えます。
アンドルー・ゴードン: ハーヴァード大学にて博士号取得(歴史・東アジア言語専攻)。デューク大学教授を経て、95年にハーヴァード大学歴史学教授。同大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所所長、同大学歴史学部長などを歴任。専門領域は、日本近現代史、戦前・戦後の日本の労使関係史、経済史から文化史までと幅広い。著書、編著にThe
Evolution of Labor Relations in Japan: Heavy Industry, 1853.1955(1985)、Labor
and Imperial Democracy in Prewar Japan(1991、ジョン・キング・フェアバンク賞)、『歴史としての戦後日本(上・下)』(みすず書房、2001年)、『日本の200年――徳川時代から現代まで(上・下)』(みすず書房、2006年)、『日本人が知らない松坂メジャー革命』(朝日新聞社、2007年)など多数。
吉見俊哉:東京大学大学院情報学環教授。専門は、メディアおよびカルチュラル・スタディーズ。主著に『カルチュラル・ターン、文化の政治学へ』(人文書院、2003年) 、『親米と反米――戦後日本の政治的無意識』(岩波新書、2007年)など。
丸山眞男――その知的レガシーを再考する
【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.21, No.1, 2010に掲載されています。】
日時: 2010年1月27日(水) 7:00
pm
講師: リッキー・カーステン/オーストラリア国立大学教授
司会: サミュエル・ヤマシタ/ポモナ大学教授
コメンテーター: 苅部直/東京大学教授
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
丸山眞男(1914.1996、東京大学名誉教授)は、戦後日本において一つの学問(科学)としての政治学を確立した20世紀後半の代表的な思想家です。その領域はリベラル・デモクラシー、ファシズム、政治思想史、近代化論、戦争責任論、福澤諭吉研究など、広範囲にわたり、大きな影響を与え続けています。
没後十数年を経てもなお、知的影響力を持ち、丸山思想に対する肯定的評価がある一方で、批判もあり、論壇をにぎわせていますが、こうした強い関心は、実質的な知的レガシーをどの程度示しているのでしょうか? 本講演では、丸山をめぐる評価をさまざまな角度や歴史的コンテキストから検証し、丸山が残したものとは何かを考えます。
リッキー・カーステン:シドニー大学およびライデン大学を経て、現職。専門は、日本近代史および政治思想史。主な編著書に、Democracy in Postwar Japan: Maruyama Masao and the Search for Autonomy (Routledge, 1996); The Left in the Shaping of Japanese Democracy (編著) (Routledge, 2006) などがある。
サミュエル・ヤマシタ:専門は、アジア近現代史、太平洋戦争、思想史および儒教史。主な著書にMaster Sorai's
Responsals: An Annotated Translation of "Sorai sensei tomonsho"
(University of Hawaii Press,1994) and Leaves from an Autumn of Emergencies:
Selections from the Wartime Diaries of Ordinary Japanese (University
of Hawaii Press, 2005)などがある。
苅部 直:東京大学大学院法学政治学研究科教授。専門は、日本政治思想史。主な著書に、『丸山眞男 リベラリストの肖像』(岩波書店、2006年、2000年度サントリー学芸賞)、『移りゆく「教養」』(NTT出版、2007年)などがある。
野球にみる日米関係
イチロー、松坂、バレンタインの意味
講師: ロバート・ホワイティング/ジャーナリスト
モデレーター: 池井優/慶應義塾大学名誉教授
日時: 2009年12月2日(水)7:00 pm
会場: 国際文化会館 講堂
会費: 無料
用語: 英語(通訳なし)
ベストセラーとなった著書『You Gotta Have Wa』の改訂版が先ごろ刊行されたロバート・ホワイティング氏を迎え、野球/ベースボールを通しての日米関係について考察します。ワールド・ベースボール・クラシックやイチロー、松坂大輔をはじめメジャー・リーグで活躍する日本人選手、ボビー・バレンタインやトレイ・ヒルマンのような日本野球における外国人監督や選手の意味するものを分析します。
ロバート・ホワイティング
1962年に初来日し、日本在住通算31年間。上智大学卒業後、ブリタニカ・ジャパンに勤務。氏の最初の著書、『菊とバット』(1977年、サイマル出版)は、タイム誌よりスポーツ・ジャンルの年間最優良書籍に選ばれている。このほか、『和をもって日本となす』
(1990年、角川書店)、日本における組織犯罪や日米関係の闇を分析した『東京アンダーワールド』(2000年、角川書店)、イチローや他の日本人野球選手のアメリカン・ベースボールへの影響を考察した『イチロー革命』(2004年、早川書房)など、現代日本に関する著書多数。
憲法9条、日本の反戦意識、
米国の軍事主義
講師: ジャン・ユンカーマン/映画監督
モデレーター: 高原孝生/明治学院大学教授
日時: 2009年9月29日(火)7:00 pm
会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
会費: 無料
用語: 英語(通訳なし)
(立教大学の李鍾元教授は、都合により欠席となったため、モデレーターが変更になっております。ご了承ください。)
米国ミルウォーキー生まれの映画監督。日本および世界が直面するさまざまな問題(政治、社会、歴史など)に対して映像を通じ、広く社会に問いかける作品で名高い。デビュー作は、「原爆の図」で知られる画家の丸木位里・俊夫妻を取材した『劫火―ヒロシマからの旅―』(1988)。歴史家ジョン・ダワー氏の協力の下、制作。1988年米国アカデミー賞記録映画部門にノミネートされた。また、9.11
テロ後、反体制知識人として知られるノーム・チョムスキー氏にインタビューをした『チョムスキー9.11』は、世界十数ヶ国語に翻訳され、各国で上映されている。
本プログラムでは、ユンカーマン氏が監督した『映画 日本国憲法』(2005)を紹介しながら、日本の反戦意識と米国の軍事主義というより広い文脈の中で憲法9条がもつ意味について考察します。

『映画 日本国憲法』(2005)
企画・制作・発行:シグロ
発売:トランスビュー
画:奈良美智
「Missing in Action -Girl meets Boy-」
(広島市現代美術館所蔵)
ピンク・グローバリゼーション
太平洋を渡る「カワイイ文化」を再考する
【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.20, No.2, 2009に掲載されています。】
講師: クリスティン・ヤノ/ハワイ大学人類学部教授
モデレーター: 田所昌幸/慶應義塾大学教授
日時: 2009年6月 1日(月)7:00 pm
会場: 国際文化会館 講堂
会費: 無料
用語: 英語(通訳なし)
2000年代後半、クール・ジャパン(Cool Japan)は、日本の文化産業の推進力となった一方で、政府の関心事ともなっています。本プログラムでは、クール・ジャパン現象の一つの側面、「ピンク・グローバリゼーション」、あるいは、国境を越えて消費される「カワイイ文化」を批判的に考察します。ここでは、ピンク・グローバリゼーションの象徴としてハロー・キティに焦点を当て、グローバルな規模で異なった意味づけがなされている、その意味の多様性を考え、(日本)国外の日本製品を
高度に商業化された“コンタクト・ゾーン(接触領域)”として位置づけることにより、そこでの意味、実践、階層化について検証します。
ヤノ教授は、ハワイ大学にて人類学の博士号を取得。専門は日本のポップ・カルチャーやナショナル・アイデンティティ形成の諸問題。現在、日本の「カワイイ文化」に関する著書の執筆に携わりながら、戦後日本のパン・アメリカン航空の歴史についての調査研究に従事している。
日本の写真と私
講師: レオ・ルービンファイン/写真家
モデレーター: 毛利嘉孝/東京藝術大学准教授
日時: 2009年4月23日(木)7:00 pm
会場: 宴会場
会費: 無料
用語: 英語 (通訳なし)
ルービンファイン氏は、写真家でエッセイスト。氏の作品は欧米、日本の主要美術館に収蔵されている。20世紀の写真家を紹介する数多くの論考も執筆。2004年にはサンフランシスコ近代美術館で開かれた「東松照明」回顧展をゲスト・共同キュレーターとして手掛けました。現在、米国において開催中の展示「傷ついた都市」では、世界の都市に住む人々の心の内面にテロリズムがどのような刻印を残しているかについて取り組んでいます。本プログラムでは、おもに写真家、東松照明の作品に光を当てながら、日本と西洋の写真作品を比較の観点から考察します。
©Shomei
Tomatsu
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