【アイハウス・アカデミー/牛場記念フェローシップ公開講演】 複数の伝統的未来: グローバル化時代における先住民運動の新たな展開と歴史叙述をめぐる諸問題 ※本講演は中止になりました

12月13日(水)に予定されておりました、ジェイムズ・クリフォード氏の講演会は、講師の都合により中止させていただきました(ご家族の急病のため、クリフォード氏の来日自体がキャンセルとなりました)。お申し込みいただいた方々には多大なご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、ご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

  • 講師: ジェイムズ・クリフォード (カリフォルニア大学サンタクルーズ校教授)
  • 司会: 太田好信(九州大学教授)
  • 日時: 2006年12月13日(水)7:00-8:30 pm
  • 会場: 国際文化会館講堂
  • 会費: 一般1,500円、学生1,000円(学生証をご提示ください)、割引料金*無料 *割引料金は国際文化会館会員の方に適用されます。
  • 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)

ジェイムズ・クリフォード氏は、人文・社会科学系の諸領域を横断する批判理論の研究で名高いカリフォルニア大学サンタクルーズ校の「意識の歴史プログラム(History of Consciousness)」で、学際プログラムの教鞭をとっています。同大学カルチュラル・スタディーズ研究センターの創設にも主導的役割を果たしたクリフォード氏は、西洋の認識論的枠組みとしての、他文化表象の背後で働く支配的な力にポスト・コロニアルな視座から懐疑的なまなざしを向け、人類学の領域で自明とされてきたさまざまな概念や方法論を疑問視してきた「ポスト・モダン」の旗手として世界的に知られています。近代の社会科学や歴史研究の言説の中で周縁的な存在として忘却の淵に追いやられた世界各地の先住民による国際的連携運動は、グローバルな世界の歴史記述・語りにどのような見直しを迫っているのか。本講演では、グローバル化が進む一方で、文化的アイデンティティをめぐる自立した帰属意識が高まるという矛盾を孕んだ複雑な状況下での、クリフォード氏のその最近の先住民運動比較研究について論じていただきます。

略歴:ジェイムズ・クリフォード

ジェイムズ・クリフォード
歴史学の研究者として、スタンフォード大学にて修士号を、ハーヴァード大学にて博士号(Ph.D.)を取得。ロンドン大学及びイエール大学においても人類学の客員教授を歴任。主要な著作に『人類学の周縁から』 (人文書院、2004)、『文化の窮状:二十世紀の民族誌、文学、芸術』 (人文書院、2003)、『ルーツ:20世紀後期の旅と翻訳』 (月曜社、2002)、『文化を書く』(ジョージ・マーカス氏と共編、紀伊国屋書店、1996)などがあり、そのほとんどが数多くの外国語に翻訳され、芸術や文化研究などの幅広い分野で領域横断的に多大な知的影響を及ぼしています。

略歴:太田好信

ノースウェスタン大学にて修士号及びミシガン大学にて博士号(Ph.D.)を取得。専門は人類学、カルチュラル・スタディーズ、ポスト・コロニアル研究。現在、九州大学比較社会文化研究院教授。主な著書・訳書に、『人類学と脱植民地化』(岩波書店、2003)、『文化の窮状:二十世紀の民族誌、文学、芸術』(共訳:人文書院、2003)、『民族誌的近代への介入』(人文書院、2001)などがあります。

■ 当日はクリフォード教授の初来日を記念し、人文書院のご協力により同社刊行の同氏の翻訳書を「来日講演特別定価」にて会場で販売いたします。