【ALFP講演会シリーズ/APYLPジョイント・セッション】
アジアのジャーナリズム
~第一線で闘うジャーナリストに聞く~

  • ※本イベントは終了いたしました。
  • スピーカー
    クンダ・ディクシット (Nepali Times紙 編集者・発行人)
    サバ・ナクヴィ (フリージャーナリスト)
    コン・リッディ (バンコクポスト紙 編集者)
  • 司会
    水野 孝昭 (神田外語大学教授、元朝日新聞ニューヨーク支局長)
  • 日時
    2018年10月14日(日) 1:00~3:00 pm (開場:12:30 pm)
  • 会場
    国際文化会館 講堂
  • 共催
    国際交流基金アジアセンター
  • 助成
    米日財団、MRAハウス

  • 用語
    日本語/英語 (同時通訳つき)
  • 参加費
    無料 (要予約: 定員120名)
国際文化会館は、2018年3月にアジア太平洋地域の未来を担う次世代リーダーたちのためのコミュニティー「アジア・パシフィック・ヤング・リーダーズ・プログラム(APYLP)*1」を発足させました。その記念すべき第1回ジョイント・セッションを、参画プログラムのひとつ「アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム(ALFP)*2」との共催で実施いたします。なお、本セッションは、「ALFP講演会シリーズ」の第1回目でもあり、20年以上にわたるアジアの知識人たちの協働の成果を広く発信することを目的としています。今回は、ALFPの元フェローで、今日アジアで活躍するジャーナリスト3名をネパール、タイ、インドからお迎えし、アジアのジャーナリズムの現状と課題についてお話しいただきます。

クンダ・ディクシット (Nepali Times紙 編集者・発行人)
コロンビア大学でジャーナリズムの修士号を取得後、国連本部付き記者としてBBCワールドサービスに勤務。その後、マニラに拠点を置く通信社Inter Press Serviceのアジア・太平洋地域局長として、主流メディアでは取り扱われないニュースの取材・編集に携わる。ディクシット氏が率いるHimalmedia社は、『Nepali Times』を含む複数の刊行物を発行し、その専門性と誠実な報道姿勢で評判が高く、最近の緊迫した政治情勢の中でも、ネパールの報道の自由と民主主義を擁護するために重要な役割を果たしている。主著である『Dateline Earth: Journalism As If the Planet Mattered』 (Inter Press Service、 1997年) は、環境・開発問題について有意義な報道をするための指南書として、世界各国のジャーナリズム学科で使われている。
サバ・ナクヴィ (フリージャーナリスト)
ジャーナリストとして、インドの国内政治や政府・政党の動き、市民運動、アイデンティティの流動化等をテーマに執筆。1作目の『In Good Faith』(Rupa Publications India、2012年)では、20年にわたってインド各地を回った自身の経験をもとに、インドの複合的な伝統について著述し、2作目の『Capital Conquest』(Hachette、2015年)では、庶民党(AAP)の急速な台頭について考察した。また新著に、人民党(BJP)の1980年の結党からこれまでの2度の政権運営について執筆した 『Shades of Saffron: From Vajpayee to Modi』(Westland、2018年)がある。3冊全てがインド国内で幅広く読まれている。インドの主要な時事週刊誌である「アウトルック」誌の政治部編集者を経て、現在はフリージャーナリストとして活躍し、報道番組で国内ニュースについてのコメンテーターも務める。
コン・リッディ (バンコクポスト紙 編集者)
タイの代表的な英字新聞であるバンコクポスト紙のアートや文化を担当するセクションにおいて、20年以上にわたり、編集者および映画評論家として執筆に携わる。映画や芸術について書くことは、作り手と受け手の間に建設的な対話を生み、今日の世界のありようを理解する一助になるという信念を持つ。また、映画製作者として、タイでは少数派のイスラム教徒に関する3本のドキュメンタリーを共同製作。2作目の『改宗』は、仏教徒の女性がイスラム教徒の男性と結婚するために改宗するというストーリーで、タイ、カナダ、台湾、シンガポール、インドネシア、日本(山形)の映画祭で上映された。視覚情報で溢れた現代における動画の政治性に関心がある。また、新聞購読者が減少する時代における活字記者と、動画の力を信じる映画製作者という二つの側面をもつ氏は、メディアの新しい可能性にも関心を寄せる。
水野 孝昭 (神田外語大学教授 / 元朝日新聞ニューヨーク支局長)
東京大学法学部卒、ジョンズホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際関係大学院修士。朝日新聞ハノイ特派員、ワシントン特派員、ニューヨーク支局長、論説委員を経て、2012年より現職。大学では、アジア国際政治やジャーナリズム論を教えている。監訳書に『偽りのホワイトハウス――元ブッシュ大統領報道官の証言』(スコット・マクレラン著、朝日新聞出版)がある。2013年9月より、アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム(ALFP)諮問委員を務める。
*1) ALFPは、国際文化会館と国際交流基金が1996年からアジア諸国のさまざまな分野で際立ったリーダーシップを発揮している知識人を毎年7~8名、日本に招聘している共同事業。フェローたちは2か月間寝食を共にし、議論を重ねることで問題意識や価値観を共有し、よりよい市民社会の実現を目指している。
*2) APYLPは、アジア太平洋地域の未来を担うさまざまなリーダーシップ・プログラムを繋ぎ継続的な研鑚の機会を提供することで、フェローたちがプログラムの垣根を越えて新たな取り組みを生み出すことを目指している。