2007年度IHJ芸術プログラム アートプログラム・コンサート

■IHJ伝統音楽コンサートシリーズ④■ 
江戸里神楽:民を楽しませる音楽と踊り

  • 日時: 2008年2月13日(水) 7:00 pm  岩崎小彌太記念ホール
  • 会費: 一般3,500円、割引料金*3,000円 *割引料金は国際文化会館会員・学生・外国人の方に適用されます。
  • 用語: 日本語/英語
  • 出演: 松本源之助(江戸里神楽土師流四代目家元) 他

神楽は日本古来から伝承されてきた民俗芸能のひとつで、日本の神話や伝説を庶民に伝える仮面劇として、にぎやかなお囃子とともに祭礼や祝典の場で上演されてきました。代表的な獅子舞はお正月の風物詩として誰もが知っていますが、生で体験する機会は年々少なくなってきています。今回のコンサートシリーズでは、神楽の中でも大衆のセンスを濃厚に伝えるものとして高く評価されている、江戸里神楽土師流の家元、松本源之助さんをお招きし、英語と日本語による解説を交えて、その起源や特徴を詳しく紹介します。

松本源之助プロフィール

江戸里神楽土師流4代目家元。大正十三年(1924年)東京・日暮里生まれ。七才より、父(三代目)源之助について江戸里神楽を学ぶ。終戦後、米軍アーニパイル劇団(現・東京宝塚劇場)に入り、米軍に日本の神楽を紹介する。傍ら、お神楽学校を設立し、後継者を育成。生徒の中には外国人や演劇人が多数いる。伝統芸の継承のみならず、現代音楽、演劇とのジョイントを図る試みを次々と発表。国内外で活躍している。昭和五十一年・五十八年と二度の芸術祭優秀賞受賞、五十九年芸術祭大衆芸能部門大賞受賞。平成二年芸術選奨文部大臣賞受賞。十五年勲四等瑞宝章受賞。全日本郷土芸能協会常任理事、民俗芸能研究会会長。平成7(1995)年には国の重要無形民俗文化財に指定された。

■IHJアーティスト・フォーラム■
ブレンダ・アオキ “Uncle Gunjiro’s Girlfriend”&トニー・ドゥスーザ ”Whiteman

  • 日時: 2007年10月26日(金)7:00 pm  国際文化会館講堂
  • 会費: 無料
  • 用語: 英語(通訳あり)
  • 共催: 駐日米国大使館

現在「日米芸術家交換プログラム」で来日中のブレンダ・青木とトニー・ドゥスーザが、自作品の抜粋上演とリーディングを行います。



ストーリー・テラー、脚本家、パフォーマー、作家、録音アーティストとして活躍しているブレンダと、彼女の夫でジャズベーシスト、雅楽の研究家、作曲家であるマーク・イズがブレンダの近作『Uncle Gunjiro’s Girlfriend(グンジロウ叔父さんの彼女)』を上演します。

日本人と白人の結婚がまだ禁じられていた1909年当時、ブレンダの大叔父グンジロウはサンフランシスコのグレイス大聖堂の助祭長の娘であるヘレン・グラディス・エメリーと恋におちます。彼らの婚約発表は、一般大衆の憤激と、激しいメディア合戦をまねき、新聞には「黄禍」の文字が躍る大スキャンダルとなりました。結局エメリーは市民権をはく奪されてしまいます。今回のプログラムでは、当時の写真資料を交えつつ、フルバージョンより抜粋して上演いたします。この作品はオーストラリアのアデレード国際芸術祭と全米で上演されています。トニーは最近刊行され華々しいデビュー作となった”Whiteman” を朗読。西アフリカにリリーフ・ワーカーとして渡ったアメリカ人ジャックと、現地での彼の保護者ママドゥは、血なまぐさい派閥の対立やワイルドなアフリカの生活を体験し、偏見は人種を問わず存在すること、真のヒロイズムは思いがけないところにあることを知ります。
加えてトニーは、現在北海道根室市でアイヌ文化を研究している彼の日常をつづった日記も紹介します。

彼の二作目の小説『The Konkans』は来年2月に発売予定です。

■IHJ伝統文化シリーズ■
聞香 ―静けさの中で香を聞く

  • 日時: 2007年10月23日(火) ①2:30-4:30 pm ②6:30-8:30 pm (各回とも内容は同じです。)
  • 会場: セミナー室 D
  • 会費: 各回5,000円 (割引料金4,000円)
  • 用語: 日本語/英語
  • 定員: 各回12名 (先着順) 

香道の世界では、香を嗅ぐといわず聞くといいます。聞香とは、感性を研ぎ澄まし、香木の香りを無心になって深く味わうことです。このワークショップでは、日本における香の歴史についてのレクチャーの後に、伽羅など三種類の香木の香りを聞きます。瞑想するように聞香に集中することで、香気と一体になり、時空を超えた世界を旅しましょう。精神の解放とともに、自然の叡智への感謝の気持ちも生まれます。

渡辺えり代 プロフィール

渡辺えり代渡辺えり代 (www.arts-wellness.com) Center for Arts and Wellness代表。芸術療法ファシリテーター。米国レスリー大学大学院修了。日本の伝統文化と東洋の精神性を取り入れた、芸術療法のワークショップを行っている。

■ブルガリアン・ヴォイス コンサート■
カルテット スラヴェイ

  • 日時: 2007年9月18日(火) 7:00 pm  岩崎小彌太記念ホール
  • 会費: 3,500円(割引料金・学生 2,500円)
  • 用語: 日本語/英語/ブルガリア語
  • 主催: 国際文化会館・舞藝舎  
  • 後援: 駐日ブルガリア共和国大使館
  • 出演: カルテット「スラヴェイ」(コーラス:ナトゥカ・カラジョヴァ、スヴェトラ・カラジョヴァ、リリャーナ・ガレフスカ、マリアナ・パヴロヴァ)

ブルガリアは歴史的には東西文明の十字路にあたり、様々な民族の出会いによって、西ヨーロッパには見られない多様な民族文化が育まれてきました。なかでもその女声コーラスは独特のリズムや旋律、歌唱法で、西洋音楽の概念では測りきれないミステリアスな響きやハーモニーをもっています。今回お招きする「スラヴェイ」は、日本の人間国宝にあたる「スタラ・プラニナ」保持者のナトゥカ・カラジョヴァや、現在ヨーロッパで最も低い声をもつ女性歌手といわれるマリアナ・パヴロヴァなど四名の歌手を擁する超ベテラン・実力派のコーラス・グループです。国際文化会館でのコンサートでは、その歌唱法の秘密や曲目など、ブルガリアの音楽文化にまつわる解説も交えて、クリスタル・ヴォイスの魅力にせまります。

■IHJアーティスト・フォーラム■
ドキュメンタリー・フィルム上映会&監督講演と箏演奏
偉大なるオブセッション: フランク・ロイド・ライト/建築と日本

  • 日時: 2007年7月27日(金)6:00 pm  岩崎小彌太記念ホール
  • ゲスト(本作監督): キャレン・セバンズ, 森晃一
  • 用語: 日本語上映
  • 会費: 無料(要予約)
  • 主催: 国際文化会館、米国大使館
Imperial Hotel (1923)

近代建築の巨匠 フランク・ロイド・ライトが「世界中でもっともロマンティックで、もっとも美しい国」と呼んだ日本。ライトは、1917年から6年間、東京に住み、世界に名を馳せた『帝国ホテルライト館』を始め、独創的な建築物を設計しました。ドキュメンタリー映画『偉大なるオブセッション:フランク・ロイド・ライト/建築と日本』は、未公開の映像、資料、写真、そしてライト研究家や建築家へのインタビューで構成され、日本建築の潮流に脈々と流れ続けるフランク・ロイド・ライトの波紋の広がりを、史上初めて、克明に、感動的に描き出したのです。

*上映に先立って箏演奏があります。
箏演奏:カーティス・ジェームズ・パターソン(音楽監督)
     小畑智恵

左)森とセバンズ(本作監督) 右)パターソン(箏・本作音楽監督)

*当プログラム開催にあたって、図書室でフランク・ロイド・ライト関連の図書小展示を行いました。