2008年度IHJ芸術プログラム アートプログラム・コンサート

■IHJ アーティスト・フォーラム■
ミシェル・クワコー、レイナ・マリカ・パパチによるワークインプログレス公演
“She Never Saw Me Dance” and “What Stays Shall Stay”

  • 日時: 2009年3月31日(金) 7:00 pm 講堂
  • 会費: 無料
  • 用語: 日本語/英語

「日米芸術家交換プログラム」で来日中のミシェル・クワコーとレイナ・マリカ・パパチが滞在期間に作成した作品の途中経過を披露します。日本文化との出会いによる芸術家の試行錯誤をうかがい知るよい機会です。ぜひご参加ください。

クワコーは自身の母に捧げたソロ作品「She Never Saw Me Dance」を踊ります。クワコーは舞踏と舞踏の背後にある考え方に大きく影響を受け、これまでとは全く違う振り付けの方向性を見いだしました。

レイナ・マリカ・パパチは数編からなる短い詩と音楽を、京都で活躍するダンサーの伴戸チカコとともに発表します。パパチには半分日本人の血が流れていますが、今回の作品には家族や家族の歴史、日本の文化のいかなる局面が、自分自身を造形しているのか、という彼女の日本滞在中のテーマが盛り込まれています。

■IHJ伝統文化シリーズ⑥/IHJ アーティスト・フォーラム■
一音成仏:尺八の世界

  • 日時: 2009年2月24日(金) 7:00 pm 岩崎小彌太記念ホール
  • 出演: 山本邦山(人間国宝)、山本真山、善養寺恵介、エリザベス・ブラウン(JUSFCフェロー)、クリストファー・遙盟
  • 演目: 「呼竹・受竹」、「鶴の巣籠」、「巣鶴鈴慕」、尺八二重奏「竹」、「『アイル・ロイヤル』より尺八二重奏」
  • 会費: 3,500円(会員・外国人・学生:3,000円)
  • 用語: 日本語/英語
  • 助成: 全日本社会貢献団体機構(記録保存プロジェクト)
  • 後援: 財団法人日本伝統文化振興財団

6回目を迎える伝統文化シリーズでは、海外でも根強い人気を誇る尺八をとりあげ、その歴史的な側面や楽器としての魅力をご紹介いたします。尺八はシンプルな構造の楽器ですが、その音楽性は多様かつ複雑です。禅の瞑想音楽にはじまり、自然を表現した標題音楽、ジャンルを横断した作品、前衛的な現代音楽まで、さまざまな場面で強い存在感を示しています。今回のコンサートでは、人間国宝の山本邦山師とご子息の山本真山氏、虚無僧尺八の若手第一人者、善養寺恵介氏、日米芸術家交換プログラムで来日中のエリザベス・ブラウン氏、当会館芸術監督のクリストファー・遙盟他の出演で、悟りの境地をうながす古典本曲や江戸時代に流行した尺八音楽、山本師とブラウン氏作曲の現代曲などもご紹介いたします。

■IHJ伝統文化シリーズとは■

本シリーズは英語と日本語のわかりやすい解説を交えて、外国人と普段邦楽に触れる機会の少ない日本人にむけて、一流の演奏家を招いて日本の伝統音楽のコンサートを紹介するシリーズです。

■IHJ アーティスト・フォーラム■
20世紀初頭のピアノ曲: ベネット・ラーナー コンサート

  • 日時: 2008年10月8日(水) 7:00 pm 岩崎小彌太記念ホール
  • 曲目: チェレプニン「ソナタロマンティック」(1918)、プーランク「ピアノ連弾ソナタ」、ドビュッシー 「子供の領分」(1908)、ポール・ボウルズ「六つのラテン舞曲」(1930’s)、橋本國彦「斑猫」(1928)、成田為三「浜辺の歌」(1918)他
  • 会費: ¥3,000(会員・学生: ¥2,500)
  • 用語: 日本語/英語
  • 後援: 在日米国大使館

ニューヨークでピアノを学び、長年演奏活動を行った後、1991年にタイへ基盤を移し、現在はチェンマイ市のパヤップ大学で教鞭をとりながら、国際的に活躍するアメリカ人ピアニスト、ベネット・ラーナーが、1918年製のスタインウェイ・ピアノで、同時代に作曲された音楽を演奏します。フォーレやドビュッシー、プーランク、チェレプニン、そしてアメリカの作曲家、アーロン・コープランドやサミュエル・バーバー、バージル・トムソン、チャールズ・アイヴズ、作家としても著名なポール・ボウルズ、また日本人作曲家、橋本國彦と成田為三の作品も演奏いたします。ラーナー氏は晩年のコープランドの親友でした。今回のコンサートでは、この巨匠の逸話もご紹介いただきます。また共演者として声楽家のきむらみか氏とピアニストの小野綾子氏を迎えます。

■IHJ伝統文化シリーズ⑤■
琵琶音楽:中世の心を語り尽くす

  • 日時: 2008年10月2日(木) 7:00 pm 岩崎小彌太記念ホール
  • 出演: 上原まり(筑前琵琶)、塩高和之(薩摩琵琶)
  • 演目: 筑前琵琶:「祇園精舎」「敦盛最期」「古刹幻想」
    薩摩琵琶: 「祇園精舎」「壇ノ浦」「まろばし」
  • 会費: 3,500円(会員・外国人・学生:3,000円)
  • 用語: 日本語/英語
  • 助成: 全日本社会貢献団体機構(記録保存プロジェクト)
  • 後援: 財団法人日本伝統文化振興財団

中国から伝来した琵琶は、古来より日本人の魂に響く楽器として親しまれています。精神を呼び覚まし、悪霊を鎮め、戦いを語り、武士道精神を浸透させ、愛の物語を語るために奏でられてきた琵琶ですが、近年では現代音楽でも用いられるようになりました。今回のコンサートでは筑前琵琶と薩摩琵琶をとりあげ、英語と日本語での解説を交えてご紹介します。

演奏には筑前琵琶の第一人者である上原まりさんと、現代曲への取り組みや作曲など、独自の活動を続ける薩摩琵琶の塩高和之さんをお迎えいたします。

■IHJ アーティスト・フォーラム■
美・欲望そして消費 現代日本、伝統と西洋との関係

  • 日時: 2008年7月15日(火) 7:00 pm 講堂
  • 会費: 無料
  • 用語: 日本語/英語
  • 後援: 日米友好基金

写真家ジョセフ・マイダは、昨年12月に日米芸術家交換プログラムで来日し、約6カ月の間、各地で日本の日常生活にみられる、物質社会の展望と魅惑を撮影してきました。これまでも資本主義者の欲望を主題にした作品を手掛けてきたマイダですが、最新の作品では、東京をはじめ、横浜、大阪、京都、福岡、札幌などの主要都市における日常的な消費を間近にとらえながら、既存の社会や伝統の深層にまで及ぶグローバル化の視覚的な、そして心理的な影響を洞察しています。今回のアーティスト・フォーラムでは、滞在中に撮影された最新作を含む現在までの主要な作品を軸に、写真をプロジェクターで紹介しながら議論いたします。

Cakes, 2006 from Dreamy American Life
Concert, 2008 Orchids, 2008
Bicycles, 2008 Commute, 2008

■IHJ アーティスト・フォーラム■
「邦楽の響き、洋楽の構造」
ドナルド・ウォマックの音楽、演奏とトーク

  • 日時: 2008年5月26日(月) 7:00 pm 岩崎小彌太記念ホール
  • 出演: イグナス・ヤン(バイオリン)、トーマス・ローゼンクランツ(ピアノ)、アンナ・ウォマック(ビオラ)、木村玲子(21絃筝)、坂田誠山(尺八)、野澤徹也(三味線)
  • 会費: 無料(要予約)
  • 用語: 日本語/英語
  • 助成: 日米友好基金、駐日米国大使館

ドナルド・ウォマックの作曲は世界中で知られています。主な作品に交響曲やバイオリン・コンチェルト、また最近演奏されたホノルル交響楽団の委嘱による、『箏と尺八と交響楽団のためのコンチェルト』(愛媛丸の沈没者へのレクイエム)があります。1994年よりハワイ大学の音楽学部で教鞭をとり、音楽理論と作曲法を教えていますが、現在はフルブライト奨学金により一年間日本に滞在しながら和楽器演奏グループ、オーラJとのコラボレーションを行っています。ウォマック氏は、日本の伝統的な楽器には独特な音色があり、和楽器を用いればユニークで新しい様々な試みが可能だといいます。今回のアーティスト・フォーラムでは、世界初演のものも含めて、彼のさまざまな作品を演奏、本人によるトークも交えて上演いたします。