【アイハウス・プレス】 Japan in Trade Isolation, 1926-37 and 1948-85

Japan in Trade Isolation, 1926-37 and 1948-85 By Ikeda Michiko
Japan in Trade Isolation, 1926-37 and 1948-85 By Ikeda Michiko (Ph.D. Economics, Harvard University)
池田美智子 著

First English edition/2008年/378ページ/ハードカバー
ISBN 978-4-903452-07-4
定価 3,143円/優待価格* 2,200円(税込)
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1920年代と30年代の世界経済は、通貨制度が変更され、保護貿易主義が台頭し、大恐慌に見舞われた動乱の時代であった。世界舞台に初めて非西欧の発展途上国としてのし上がった日本は、ダンピング課税に見舞われ、世界貿易から孤立し、通商規制と差別の対象となった。第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期、日本が貿易を通じて経済的に世界中から追い詰められていった経験は、グローバリゼーションの反動として新たに保護主義の台頭する現代においてどのような教訓をもたらすのか? 戦間期の世界市場を舞台に日本という一つの国を焦点として、保護主義と貿易差別をあつかったこの革新的な研究は、今まで日本でも外国でも、また世界史の中でもはじめて解明されるものである。

1944年、国際貿易のルールを管理するガット(GATT)が創設された。戦前の保護主義とブロック化の苦い体験を再び繰り返さないとの願いが、ガット誕生の所以である。日本は1955年にようやく加盟できたが、第35条による差別が続くなど、その道は決して平坦ではなかった。著者はガットの経済分析官としての経験から、世界経済の発展は、先人たちの努力に負うところが大であることを検証し、さらにガット設立当時の偉大な人びとの英知を超えてすすみ、ガットからWTOへとより強い世界貿易機関に引き継がれて発展してきたことを検証している。今また保護主義の台頭が懸念される中で、本書におさめられたかつての日本の悲劇を現代の英知を集めて検証することにより、人間は未来へとさらなる発展を遂げ得ると構想している。