【japan@ihj】 開発協力大綱から見る日本の国益と安全保障

  • ※本講演は終了いたしました。
  • 日時: 2015年11月4日(水)7:00~8:30pm
  • 会場: 国際文化会館 講堂
  • 講師: マリー・ソデルベリー(欧州日本研究所所長、ストックホルム商科大学教授)
  • コメンテーター&モデレーター: 勝間 靖(早稲田大学教授)
  • 用語: 英語 (通訳なし)
  • 会費: 一般:1000円、学生・外国の方:500円(学生の方は学生証をご提示ください)、会員:無料
    要予約・定員100名)

対外援助を考える上で2015年は世界的にとても重要な年です。ミレニアム開発目標の最終年であり、9月に開催された国連サミットではポスト2015年開発アジェンダ「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。この極めて重要な時期に日本もODA大綱を見直し、2月にはODA大綱に取って代わる「開発協力大綱」が閣議決定されました。新たに打ち出された「開発協力大綱」は、従来の貧困削減だけでなく日本の国益をより重視し、安全保障と開発の連携を広げる役割を担うと考えられています。中進国への援助の必要性を説いている本大綱では、協力国の範囲が広がると同時に、民間企業の役割が増すことが期待されます。そこで、本講演では、新大綱の策定およびその意義について分析し、日本の安全保障や繁栄に深くかかわるアジア、とくにASEANをより重視した政治・外交ツールとしての対外援助について考えます。

マリー・ソデルベリー(欧州日本研究所所長、ストックホルム商科大学教授)
写真:マリー・ソデルベリー日本外交政策研究者。「Japan’s Military Export Policy」と題する論文で、1986年ストックホルム大学にて博士号を取得。現在は、日中、日朝、日韓関係を含め、日本とアジアの外交を中心にさまざまな研究をしている。同氏はスウェーデン国際情勢研究所の役員であり、ルートリッジ社から出版されている『European Institute of Japanese Studies, East Asian Economics and Business Studies』シリーズのシニア・エディターも兼任。他にも日欧上級研究ネットワーク(EJARN)の実行委員、大阪大学研究教授も務める。
勝間 靖(早稲田大学教授)
写真:勝間靖早稲田大学にて、国際学術院副学術院長、大学院アジア太平洋研究科長、アジア太平洋研究センター所長を務める。また、国際開発学会副会長、日本国際連合学会理事。大阪大学大学院で法学修士(国際関係法学)を取得後、東南アジア、南アジア、南米で開発調査に従事。その後、ウィスコンシン大学マディソン校でのPh.D.(開発学)取得を経て、国連児童基金(UNICEF)入所。メキシコ、アフガニスタン/パキスタン、東京事務所での勤務を経て、現職。専門分野は、開発研究(人間開発)、国際人権論(子どもの権利)、人間の安全保障。編著書として『アジアの人権ガバナンス』(勁草書房、2011)と『テキスト国際開発論~貧困をなくすミレニアム開発目標へのアプローチ』(ミネルヴァ書房、2012)、共編著書として『国際緊急人道支援』(ナカニシヤ出版、2008)、『国際社会を学ぶ』(晃洋書房、2012)などがある。