【ランチタイム・レクチャー】 「生き心地のよい社会」を目指して ―若者の不安を読み解く

  • ※本講演は終了いたしました。
  • 講師: 上田 紀行 (東京工業大学リベラルアーツセンター教授)
  • 日時: 2014年2月20日(木) 12:15~1:30 pm (開場: 11:45 am)
  • 会場: 国際文化会館 樺山・松本ルーム
  • 用語: 日本語(通訳なし)
  • 会費: 1,000円(学生:500円、国際文化会館会員:無料) (要予約・定員70名)
  • ※昼食は含まれておりませんので、各自レクチャー前後にお済ませください。
東日本大震災からまもなく3年。未曽有の被害を直接受けた人々だけではなく、被災地以外でも多くの人々に漠然とした不安や価値観の揺らぎをもたらしました。しかし震災以前から、日本ではほぼ毎年3万人以上の人々が自殺しており、若い世代の死因第一位を占めています。文化人類学者の上田氏はこの状況を「不安社会」とし、癒し型の社会に転換する必要があると主張しています。
 震災以前から続いていた不安社会―自分自身が「使い捨て」であり、何ものにも支えられていないと感じる若者が急増していた日本―では、何が「安心」や「信頼」の基盤となりうるのでしょうか。日本は「生きる意味の不況」にあると警鐘を鳴らし続けてきた上田氏に、若者たちの不安の根源と大人たちの役割について、諸外国との比較を交えながら整理していただくととも に、一人ひとりがかけがえのない人間であることを感じられる「生き心地のよい社会」へのヒントを探ります。

略歴: 上田 紀行

Photo: 上田 紀行文化人類学者、医学博士。東京大学大学院総合文化研究科文化人類学専攻博士課程修了。1986 年よりスリランカで民俗仏教のフィールドワークを行い、帰国後、いちはやく「癒し」の観点を提唱した。現代社会の諸問題についても、さまざまなメディアで積極的な提言を続けている。2005 年に渡米し、スタンフォード大学仏教学研究所フェローとして、「今日の仏教は現代的問いに答えうるか」というテーマで講義した。近年は日本仏教の再生運動にも関わり、ダライ・ラマとの対談も出版。著作『生きる意味』(岩波新書 2005年)は、2006 年大学入試出題率第1位となり、高校の国語の教科書にも掲載された。その他『覚醒のネットワーク』(カタツムリ社 1989年)、『がんばれ仏教!』(NHK出版 2004年)、『慈悲の怒り―震災後を生きる心のマネジメント―』(朝日新聞出版 2011年)など著書多数。