【アイハウス・アカデミー/牛場記念フェローシップ記念講演】 現代中国における経済開発の空間構造(都市と地方)

  • アイハウス・アカデミー/牛場記念フェローシップ記念講演
  • 講師: G・ウィリアム・スキナー(カリフォルニア大学デイビス校教授・牛場記念フェローシップ第3回招聘フェロー)
  • 司会: 濱下武志(龍谷大学教授)
  • 日時: 2008年5月22日(木) 7:00 pm
  • 会場: 国際文化会館 講堂
  • 会費: 1,500円(学生1,000円、割引料金*)
  • 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)

これまで中国における経済開発の不均衡は、中国を三つのゾーンに分けるモデルで語られてきました。実際に、中国の経済開発政策はこの三つのゾーンを基に、中核となる沿岸地域から中部地域へ、中部地域から周辺である西部地域へと行われていきました。しかし、これで本当に説明できるのでしょうか。本講演で、スキナー氏は地理情報システム(Geographic Information System)を利用した10 年に及ぶ調査研究から得た、新たな空間構造を提示します。中国の経済開発不均衡は、従来の一国内、一つの社会経済空間システムにおける中核・周辺関係によるものではなく、九つのマクロ的地域経済でそれぞれ成り立つ中核・周辺関係の中で起きていると。経済発展が目覚ましい一方で、格差の激しい中国を読み解く、新たなロジックを紹介します。

略歴:G・ウィリアム・スキナー

G・ウィリアム・スキナーコーネル大学、スタンフォード大学教授などを経て、現職。第二次世界大戦直後からアジア各地域において人類学的調査手法を用いて、タイを中心とする東南アジアの華僑研究や中国の地域・都市研究、市場論を進め、現在、アジアの地域システム・プロジェクトを推進している。戦後アメリカのアジア研究を一貫して先導してきた第一人者。主要な著作のうち日本語訳のあるものに、『中国王朝末期の都市:都市と地方組織の階層構造』(晃洋書房、1989)、『東南アジアの華僑社会』(東洋書店、1981)など。

専門:人類学、地理学、中国市場論、東南アジア(タイ)華僑論。