2017年度 日米芸術家交換プログラム フェロー プロフィール

エレーン・バックホルツ Elaine Buckholtz(美術作家)

2017年6月22日~11月18日来日

Elaine Buckholzマサチューセッツ州ボストン在住。近作ではビデオと照明を用いて、彫刻の形状やデジタルプリント、暗闇の中の建築や自然との関係を追求している。美術と舞台照明の経験が豊富なバックホルツだが、作品の重要な側面には、観客の直接的な体験や没入的な環境といったものがある。ゆえに、照明や視覚そして知覚は重要な素材であり、聖堂など大きなものからメガネのような小さなものまで、被写体との関係を大きく左右する。日本では、光のアートや建築照明、メディアファサード、また関連する技術革新について調査する予定である。

ジェイミ・ナカムラ・リン Jami Nakamura Lin(作家)

2017年3月29-8月2日来日

jami-lin_sシカゴを拠点とする作家。文化的アイデンティティーや宗教、精神疾患の複雑な絡み合い、神話が社会の欲望・恐れを映すさまを探っている。日系アメリカ人であるリンの家族は1940年代に強制収容所に送られていたため、外国人恐怖症やナショナリズムの多くは“他者”に対する神話の創作から出現するのではないか、ということに興味をもっている。現在執筆中の小説は日本の民話にゆるやかな影響を受けており、中でも鬼―鬼そのもの、そして“よそ者”の隠喩として―に焦点をあてている。神話の豊富な国にふさわしい場所や神社を訪れ、民間神道の口伝についても調べる予定である。

キミ・マエダ Kimi Maeda(舞台芸術家)

2017年7月13日~12月8日来日

kimi-maeda_sサウスカロライナ州コロンビアを拠点とする日系アメリカ人の舞台芸術家。サウスカロライナではインティメートで親しみやすく、ジャンルが交錯するビジュアル・パフォーマンスを制作している。2001年よりアメリカやヨーロッパで多くの作品の舞台美術や衣装を担当し、中でも自身が演じるソロ作品『エフェメラ』は砂絵と影絵芝居を融合させたもので、記憶や家、異文化アイデンティティーがテーマとなっている。島根県浜田市で石見神楽の仮面や人形、衣装、音楽、リハーサルの工程などを調査し、島根に伝わる伝統的な神道舞踊を学ぶほか、浜田市の神楽師をインタビューし、音源や映像記録も集める予定である。

クウィン・ヴァンツー Quynh Vantu (建築家)

2017年12月15日~2018年6月1日来日

qvantu_sバージニア州を拠点とする建築士であり、アーティスト。彼女の作品は人の動きと建築の関係を考察したもので、身体と建物、空間との関係や反応を探求するものである。アメリカ南部に育ったため「ポーチ(ベランダ)文化」と「南部ホスピタリティ」に影響を受けており、作品では“建築的”介入によって、社交上の美徳や交流が展開する。日本では「境界」を方法論的ツールとして用いて、建築的に「境界」がいかに活気ある空間であるかを調べる予定である。「境界」は動きというものを具現化し、人同士の関わりを生む社会条件や、文化的な理想を実現する道具にもなるのだ。

ヴァネッサ・ヴォスクィル Vanessa Voskuil (振付家)

2017年4月19日~7月12日来日

vanessavoskuil2016_sミネアポリスを拠点に活躍する振り付け家、演出家、パフォーマー、作家、デザイナー、教師。作品にはコミュニティーを巻き込んだ大規模なアンサンブルや、サイトスペシフィックな会場、劇場でのソロ作品もある。名優ヨシ・オイダのメソッドと、気功や太極拳の手法も取り入れ、2008年よりダンス・フィルムのシリーズも手掛ける。大阪、京都で能を学んだあと、その経験をもとに、新しい作品への参加者でコミュニティーを形成する予定であり、現地での上演も検討している。


年度別日米芸術家交換プログラムフェロー
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