【日印交流事業】 公開シンポジウム(2)「日印からみる新しいアジア」

  • 日時: 2011年12月6日(火) 1:30~4:30 pm
  • 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
  • 会費: 無料(要予約)
  • 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)
  • 主催: 国際文化会館、国際交流基金
  • 協力: インディア・インターナショナル・センター
  • シンポジウム報告書 (PDFファイル 192KB)
著しい経済成長を遂げるインドが、世界の中でますます存在感を増しています。IT大国、台頭する中間層、その一方で拡大を続ける格差――など、インドを語るキーワードも溢れています。しかし多くの日本人にとって、インドは近くて遠い国、親しみはあるけれど実態がよくわからない国、ではないでしょうか。インド進出を果たしながらも、文化的な壁にぶつかって苦労をしている日本企業も数多くあり、その逆もまたしかりです。

本シンポジウムでは、経済、外交、政治、文化など、様々な側面から日本とインド、そしてアジアをみつめるパネリストが、経済一辺倒ではなく、表面的な文化理解だけにもとどまらない、これまでにはなかった新しい日印交流のあり方を考えます。

対中国としての日印、といった戦略的な枠組みを超え、日本とインドが軸となり、中国をはじめとする近隣諸国、そしてアメリカなどを巻き込みながら、アジア地域の共通課題に取り組み、「新しいアジアのあり方」を探ります。

パネリスト

CHELLANEY, Brahma ブラーマ・チェラニー(政策研究センター教授)
CHELLANEY ニューデリーにある独立シンクタンク政策研究センター(Center for Policy Research)の教授。専門は戦略研究。 国際安全保障の専門家として、米国およびオーストラリアの多くの大学で兼務している。国際問題に関し、CNNやBBCをはじめとするテレビ番組への出演や、新聞への寄稿も多数。近著にAsian Juggernaut: The Rise of China, India and Japan (Harper Collins, 2006)、Water: Asia’s New Battleground (Georgetown University Press, 2011)など。


DESAI, Vishakha ヴィシャカ・デサイ(アジア・ソサエティ理事長)
DESAI インド生まれ。ボンベイ大学で政治学学士号、ミシガン大学で修士号ならびに博士号(アジア美術史)取得。ボストン美術館キュレーター、ボストン大学、コロンビア大学などでの教職を経て、1990年、ニューヨークに本部のあるアジア・ソサエティの美術館館長に就任。副理事長を経て、2004年より現職。アジア・ソサエティは、アジアとアメリカの人々の間の連携を深化することを目的として設立されたグローバルな教育機関であり、デサイ氏は、アメリカおよびアジアの全地域拠点におけるアジア・ソサエティの政策、経営、芸術、文化、教育分野における多様な事業の指揮監督を行っている。研究者としても、インド古典美術に関する数多くのカタログの出版や学術論文を発表している。


FUJIWARA, Kiichi 藤原 帰一(東京大学教授)
FUJIWARA 東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程単位取得中退。その間に、フルブライト奨学金奨学生として米国イェール大学大学院政治学部博士課程に留学し、帰国後、東京大学社会科学研究所に勤務。フィリピン大学アジアセンター客員教授、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際研究学院客員教授、ブリストル大学政治学部客員教授、ウッドロー・ウィルソン国際学術センター研究員を務める。主な著書に、『戦争を記憶する』(講談社、2001年)、『デモクラシーの帝国』(岩波書店、2002年)、『「正しい戦争」は本当にあるのか』(ロッキングオン社、2003年)、『平和のリアリズム』(第26回石橋湛山賞<2005年度>受賞、岩波書店、2004年)、『国際政治』(放送大学教育振興会、2007年)、『戦争解禁』(ロッキングオン社、2007年)など。


NANDY, Ashis アシシュ・ナンディ(発展途上社会研究センター研究員)
1937年生まれ。1961年、ナーグプル大学大学院修士課程修了。ウッドロー・ウィルソン国際学術センター研究員、エジンバラ、ナント、ベルリンの高等研究所研究員、発展途上社会研究センター所長などを経て、現職。アジアを代表する政治心理学者であり、市民運動にも積極的に参加する行動的知識人として、平和、人権、環境、文明論などの問題を扱う。文明間の対話や未来学などに関する著作も多数。


OGUMA, Eiji 小熊 英二(慶應義塾大学教授)
1962年生まれ。東京大学農学部卒業後、岩波書店に入社。その間、休職して、東京大学教養学部総合文化研究科国際社会科学専攻大学院博士課程修了。1997年、慶應義塾大学専任講師に就任、同大学助教授を経て、2007年より現職。主な著書に『単一民族神話の起源―<日本人>の自画像の系譜』(新曜社、1995年。1996年度サントリー学芸賞社会・風俗部門受賞)、『インド日記―牛とコンピュータの国から』(新曜社、2000年)、『民主と愛国―戦後日本のナショナリズムと公共性』(新曜社、2002年)、『1968』(新曜社、2009年)他多数。


SAKAKIBARA, Eisuke 榊原 英資(財団法人インド経済研究所理事長、青山学院大学教授)
1941年生まれ。東京大学経済学部卒業後、大蔵省(当時)入省。1969年ミシガン大学にて経済学博士号取得。財政金融研究所所長、国際金融局長を経て、1997年財務官に就任。1999年に退官後は、慶應義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。インド経済研究所の理事長を務め、『インド巨大市場を読み解く』(共著、東洋経済新報社、2005年)、『インド・アズ・ナンバーワン』(朝日新聞出版、2011年)他、インドに関する著書を発表するなど、インド経済・社会に精通している。

モデレーター

HORIMOTO, Takenori 堀本 武功(尚美学園大学教授)
HORIMOTO 国立国会図書館・調査および立法考査局長を経て現職(京都大学大学院特任教授兼務)。専門は米アジア政策・南アジアの国際政治。主な近著に『インド―グローバル化する巨象』(岩波書店、1997年)、『軍事大国化するインド』(共編、亜紀書房、2010年)など。