【アイハウス・アカデミー】 アウシュビッツとヒロシマ:世界平和のためにユダヤ人と日本人がなすべきこととは?

【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.18, No.2, 2007に掲載されています。】

  • 講師: ベン=アミー・シロニー(エルサレム・ヘブライ大学名誉教授)
  • 司会: 島薗 進(東京大学教授)
  • 日時: 2007年10月4日(木) 7:00 pm
  • 会場: 国際文化会館 講堂
  • 会費: 1,500円 (学生1,000円、割引料金*無料)*割引料金は国際文化会館会員の方に適用されます。
  • 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)

ベン=アミー・シロニー氏は日本人とユダヤ人の歴史や文化の共通点に注目し、独自の比較文化論を構築してこられました。アウシュビッツとヒロシマ―ユダヤ人と日本人のみならず、地理的な境界を越え、20世紀の平和の問題を考える上で、象徴的な意味合いを今なおもっていますが、ユダヤ人と日本人の戦後の歩みはまったく別のものでした。イスラエルが軍備を増強し安全保障の礎とした一方で、日本は憲法9条を軸に戦争を放棄することにより平和貢献に努めました。憲法施行60周年を迎えた今日、首相の靖国神社参拝などナショナリズムの高まりとともに憲法改正の動きがでております。本講演ではイスラエルのヘブライ大学で長年日本について研究されてきたシロニー教授をお招きし、そうしたお互いの異なる来歴から日本人とユダヤ人の双方が学び取るべきことと、現在の状況をふまえて世界の平和のために日本人とユダヤ人がなすべきことをお話しいただきます。

略歴:ベン=アミー・シロニー

ベン=アミー・シロニー ポーランドに生まれ、イスラエルに移住。ヘブライ大学で歴史学の修士号を取得し、1965年に来日。2年間日本で日本語を学んだ後、米プリンストン大学でマリウス・B・ジャンセン教授のもと1971年に日本の歴史研究でPh.D.を取得。日本の君主制や天皇制の研究および日本人とユダヤ人の比較文化論で名高い、イスラエルにおける日本研究の第一人者です。主要な著作に『ユダヤ人と日本人の不思議な関係』(成甲書房 2004年)、『母なる天皇―女性的君主制の過去・現在・未来』(講談社 2003年)などがあり、長年にわたる研究の功績により、2000年に勲二等瑞宝章を受章しています。

略歴:島薗 進

東京大学大学院人文社会系研究科教授。宗教学専攻。専門は近代日本宗教史、比較宗教運動論など。近年は死生観や生命倫理の問題も研究。主な著書に、『スピリチュアリティの興隆』(岩波書店2007年)『いのちの始まりの生命倫理』(春秋社2006年)『現代宗教の可能性』(岩波書店1997年)などがあります。