インド太平洋リーダーシリーズ

国際文化会館は、ウェビナーシリーズ「インド太平洋リーダーシリーズ 2023」を配信いたします。

新型コロナウイルス発生から3年近くがたつ現在もその再拡大による経済、食や環境、政治的分断などへの影響は続いています。日ロや日中の地政学的な対立の先鋭化のみならず、経済的な停滞や格差の解決法がみつからないために苦しむ人が増えています。

本年度のウェビナーシリーズにおいても様々な分断を乗り越え、協力的な社会を作り直すためにその知見をあますところなく発揮し、また積極的な活動を行っているインド太平洋地域のリーダーをスピーカーに迎え、新型コロナ対応、環境および子供の人権をテーマに3回のウェビナーを配信いたします。

各回の詳細は、国際文化会館のメールマガジンでもご案内いたします。(メールマガジンのご登録はこちら→メールマガジン登録フォーム

主催:国際文化会館
助成:一般財団法人MRAハウス

PICK UP

【インド太平洋リーダーシリーズ 2023】
子どもへの虐待や暴力を減らす小児科医の挑戦:
子どもが安心できる場をつくるには?

  • スピーカー: バーナデット・マドリッド(フィリピン大学チャイルド・プロテクション部局長)
  • モデレーター: 土井香苗(弁護士;ヒューマンライツウォッチ日本代表)
  • 配信開始日: 2023年3月30日
  • 用語: 英語(日本語字幕付き)
  • 主催:国際文化会館
  • 協力: ラモン・マグサイサイ賞財団

アジアの子どもたちの60%以上が年間、身体的、性的あるいは精神的な暴力や虐待の被害にあっているとされ、それは経済的格差や収入と関係なく起きていることがいろいろな統計的調査でわかってきています。これらの暴力によって子どもが被る長期的な悪い影響は多大なものとされ、分野や職種そして国境を越えて協力体制を組み、被害にあう子どもを減らすことは急務となります。このような深刻な統計が提出されているにもかかわらず、様々な分野で協力して子どもの虐待の防止あるいは対応を行っている自治体や国は少なく、本セッションのスピーカーである小児科医のマドリッド博士はその縦割りの対応システムを見直し、横の連携をつくることでより多くの子どもを救うために尽力されてこられました。現在の活動とヴィジョンについてお話をうかがい、私たち一人ひとりに何ができるのか考えます。

配信映像

バーナデット・マドリッド(フィリピン大学チャイルド・プロテクション部局長)
マドリッド博士は、全米の女性・子ども保護ユニットの設立を支援するNGO、子ども保護ネットワーク財団の事務局長です。 世界保健機関(WHO)の「児童・青少年の性的虐待への健康対応に関する臨床ガイドライン委員会」と「子どもの虐待への対応に関するWHO委員会」の共同議長を務める。フィリピン小児科学会による2021年度優秀小児科医賞、最近では2022年度ラモン・マグサイサイ賞など、国内外で数々の賞を受賞している。

土井香苗(「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表、ニューヨーク州弁護士)

大学4年生の時、アフリカ・エリトリアにて1年間、ボランティアで法律作成に携わる。2000-16年、日本の弁護士。通常の弁護士業務の傍ら、日本の難民の法的支援や難民認定法改正に関わった。弁護士活動中に、ニューヨーク大学ロースクールに留学、国際学(International Studies)を専攻、2006年卒業(LL.M.)。ニューヨーク大学卒業後の2006-07年にHRWニューヨーク本部のフェロー、その後帰国してHRW東京オフィス立ち上げに向け奔走、2009年にHRW東京オフィスを正式に設立した。2008年以来現職

   
*インド太平洋次世代リーダーによるウェビナーシリーズは、今後のインド太平洋地域を創る新しいリーダーやアイデア、取り組みを広く紹介することを目的に2021年1月より実施しているウェビナーシリーズです。

【インド太平洋リーダーシリーズ 2023】
アジアの若手環境活動家の声:世界を変える一歩とその可能性

  • スピーカー: ゲリー・ベンチェギブ(Sungai Watch共同創設者)、坂野晶(ゼロ・ウェイスト・ジャパン 代表理事)
  • モデレーター: マルコ・クスマウィジャヤ(都市計画専門家)
  • 配信開始日: 2023年2月27日
  • 用語: 英語(日本語字幕付き)
  • 主催: 国際文化会館
  • 協力: ラモン・マグサイサイ賞財団

ウクライナ紛争などの世界情勢の変化によってエネルギーの問題もふたたび注目され、私たちの身近な問題として考えられています。そのような中、エネルギーを多大に消費するプラスチックの生成やその焼却を少なくし、リサイクルができる社会をつくることは今後ますます重要になると思われます。本セッションでは「世界で最も汚染された川」と呼ばれているインドネシアのチトルゥン川の清掃に取り組んでいるフランス出身のゲリー・ベンチェギブ氏、日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った徳島県上勝町の廃棄物政策をけん引してきた坂野晶氏、というアジアの環境問題に地道に取り組み、大きな成果をあげてきた二人の若手活動家に、現在の活動とヴィジョンについてお話をうかがい、私たち一人ひとりに何ができるのか考えます。

配信映像

ゲリー・ベンチェギブ(Sungai Watch共同創設者)

バリを拠点とするフランス出身の映像作家および環境活動家。二人の兄弟とともに10代にMake a Change Worldというアジアおよび世界の環境問題に焦点をあてたマルチメディアを制作する団体を設立。2020年には河川の清掃によってプラスチックごみが海に流れていくことを防ぐことを目的とした環境団体Sungai Watchを弟と設立。2022年にはアジアのノーベル賞といわれるラモン・マグサイサイ賞の若手リーダーシップ部門賞を受賞。

坂野 晶(一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン 代表理事)

絶滅危惧種の世界最大のオウム「カカポ」をきっかけに環境問題に関心を持つ。大学で環境政策を専攻後、モンゴルのNGO、フィリピンの物流企業を経て、日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った徳島県上勝町の廃棄物政策を担うNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーに参画。理事長として地域の廃棄物削減の取組推進と国内外におけるゼロ・ウェイスト普及に貢献する。米マイクロソフトCEOらとともに、2019年世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)共同議長を務める。2020年より一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンにて循環型社会のモデル形成に取り組む。2021年、脱炭素に向けた社会変革を起こす人材育成プログラムGreen Innovator Academyを共同設立。2023年1月より資源循環のインフラを担う「循環商社」株式会社ecommitの取締役Chief Sustainability Officerに就任。

マルコ・クスマウィジャヤ(都市計画専門家)
マルコ・クスマウィジャヤ

ジャカルタを拠点とする都市計画専門家。ジャカルタ・アーツ・カウンシルの会長などを歴任し、現在はジャカルタ・アカデミー会員。都市化、エコロジー、アートおよび住宅に焦点をあてた仕事に従事。氏は国際文化会館と国際交流基金共催事業であったアジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム2008年のフェローとして2か月日本に滞在した経験を持つ。

   
*インド太平洋次世代リーダーによるウェビナーシリーズは、今後のインド太平洋地域を創る新しいリーダーやアイデア、取り組みを広く紹介することを目的に2021年1月より実施しているウェビナーシリーズです。

【インド太平洋リーダーシリーズ 2023】
新型コロナ対応 マレーシアの経験

  • スピーカー: コー・スウィー・ケン(医師、アンサナ・ヘルス社CEO)
  • モデレーター: 相良祥之(国際文化会館/API主任研究員)
  • 配信開始日: 2023年1月12日
  • 用語: 英語(日本語字幕付き)
  • 主催:国際文化会館
  • 助成: 一般財団法人MRAハウス

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生してから3年。この間、東アジア諸国は欧米に比べると人口比死亡者数を低く抑え込んできました。そうした中で、マレーシアは新型コロナに、どう対峙してきたのか。今回は東南アジアの初期診療システム確立のために設立されたAngsana HealthのCEOを務めるマレーシアの医師であるコー・スウィー・ケン博士をお招きしてお話をうかがいました。聞き手は、『コロナ民間臨調報告書』の共著者として日本のコロナ対応の検証に取り組んだ、相良祥之・国際文化会館/API主任研究員が務めました。マレーシアにおける政府と市民社会の対応、得られた教訓、グローバルヘルスにおける課題などについてお話しいただきました。

配信映像

コー・スウィー・ケン(医師、アンサナ・ヘルス社CEO)

コー・スウィー・ケン氏はマレーシアの医師で、医療システムとグローバルヘルスを専門とし、シンガポールを拠点に活動しています。アンサナ・ヘルス社(プライマリーケアシステムの構築)CEO、チャタムハウス、シンガポール国立大学、国連大学などにも籍を置き、マレーシア政府に医療改革に関する助言を行っている。以前は、医学、難民医療、フォーチュン100社の製薬会社で、上級実務者を務める。マレーシア、シンガポール、ドバイ、上海、パリを拠点に、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、中東の医療などについて研究。また、国際的な学術誌、シンクタンク、メディア(外交問題評議会、フォーリン・アフェアーズ、ランセット、プロジェクト・シンジケートなど)において190以上の論文を発表している。

相良祥之(国際文化会館/API主任研究員)
相良祥之

民間企業、国連、外務省を経てシンクタンク勤務。研究分野は外交・安全保障政策、健康安全保障、経済安全保障、国際紛争。国際移住機関(IOM)スーダン、国連事務局 政務局 政策・調停部、外務省アジア大洋州局北東アジア第二課など経て現職。慶應義塾大学法学部卒、東京大学公共政策大学院修了。著作に「危機管理としての日本のコロナ対応」『アステイオン』第94号(2021年5月)、『新型コロナ対応・民間臨時調査会(コロナ民間臨調)調査・検証報告書』(共著、2020年10月)など。

   
*インド太平洋次世代リーダーによるウェビナーシリーズは、今後のインド太平洋地域を創る新しいリーダーやアイデア、取り組みを広く紹介することを目的に2021年1月より実施しているウェビナーシリーズです。

アーカイブス

第二期(2022年1〜3月)

【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
~中村哲氏(2003年マグサイサイ賞受賞)特別トリビュート・セッション~
紛争、災害、パンデミック後の復興~メンタルヘルスケアの重要性を考える
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
【自然農法の創始者:福岡正信氏(1988年マグサイサイ賞受賞)への特別トリビュート・セッション】社会ビジネスとしての持続可能な農業~カンボジアの挑戦〜
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
未来は彼らのもの:子どもの主体的でダイナミックな学びを育むには
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
社会運動を醸成するには:オルタナティブ・メディアの役割
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
マイノリティに声をもたらす揺るぎないアクティビズムとは

第一期(2021年1〜3月)

【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
アジアにおける都市の未来―ウェルビーイングを追求するスマートシティとは
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
アジアにおけるLGBTQと同性婚―誰もが暮らしやすい社会とは
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
アジアにおける#MeToo―性暴力に共に立ち向かうには
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
未来の建築―新しい空間とつながりの創造にむけて
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
アジアの世紀―21世紀のテクノロジーと地政学
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
コロナ禍における教育格差と新しい時代の教育実践
【インド太平洋リーダーによるウェビナーシリーズ】
オードリー・タン氏との対話

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