【アイハウス・アカデミー】 高橋是清:「日本のケインズ」と呼ばれた偉大なリベラリスト

【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.19, No.2, 2008に掲載されています。】

  • 講師: リチャード・スメサースト(ピッツバーグ大学教授)
  • 司会: 鎮目雅人(神戸大学経済経営研究所教授)
  • 日時: 2008年6月20日(金) 7:00 pm
  • 会場: 国際文化会館 講堂
  • 会費: 1,500円(割引料金*1,000円)
  • *割引料金は国際文化会館会員の方に適用されます。

  • 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)

高橋是清(1854-1936)は、世界大恐慌の際、その大胆な金融・財政政策により、日本経済をいち早く立て直した蔵相、日本のケインズとして知られている。のちに軍部の反発を買い、二・二六事件で暗殺されることになるが、軍事費削減による国民生活の向上を唱え、また、国家権力の分散化や外交・安全保障(軍事)政策の文民統合、国際協調の必要を説く当時では稀有なリベラリストであった。現代の日本社会が格差の拡大、雇用機会の不均衡、歴史教科書問題や軍事・安全保障上の国際的な役割に対する内外からの高まる要望に直面する中、高橋是清のリベラリズムから今日われわれは何を学ぶことができるのか。高橋是清伝 From Foot Soldier to Finance Minister: Takahashi Korekiyo, Japan’s Keynes の著者であるスメサースト教授に論じていただきます。

略歴:リチャード・スメサースト

リチャード・スメサーストピッツバーグ大学歴史学部教授。1968年、ミシガン大学で博士号取得。専門は、日本近代史、日本経済史、第二次世界大戦期のアジア。主な著書に、From Foot Soldier to Finance Minister: Takahashi Korekiyo, Japan’s Keynes(Harvard University Asia Studies Center, 2007. 日本語版が東洋経済新報社より年内刊行予定)、Agricultural Development and Tenancy Disputes in Japan, 1870-1940(Princeton University Press, 1986)、A Social Basis for Prewar Japanese Militarism: The Army and the Rural Community(University of California Press, 1974)など。