【アイハウス・アカデミー】 日米文化交流のゆくえ-未来への展望をともに模索して

  • 講師: リチャード・J・ウッド(ジャパン・ソサエティー理事長)
  • 司会: 渡辺 靖(慶應義塾大学教授)
  • 日時: 2009年2月10日(火) 4:00 -5:30 pm
  • 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
  • 会費: 1,500 円(学生1,000円、割引料金*無料)
  • 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)
  • 共催: ジャパン・ソサエティー
  • 後援: 社団法人日米協会

現在、ニューヨークでは、ドキュメンタリー The Quiet Builders(仮称)の制作が進められています。このフィルムは、国際文化会館の設立という、ジョン・D・ロックフェラー3世と松本重治氏によるコラボレーションを紹介しながら、洞察力、知性、自己献身の精神に溢れた一個人が、諸国間の文化・外交関係になしうること、とりわけ、戦後の日米関係の改善のため、“文化”の相互理解の促進が果たした役割を、隠れたモチーフとしています。
第二次大戦後は、「民主主義」の理念といった米国のソフトパワーが日本の戦後復興やその後の発展を底辺から支える大きな支柱となりました。一方で、今や、日本の文化的ソフトパワー ―元ジャパン・ソサエティー・メディア・フェローで、ジャーナリストのダグラス・マッグレー氏が“クール・ジャパン(Cool Japan)”と名付けた―が、米国社会、主に、アート、デザイン、ファッション、建築、文学、スポーツなどの文化領域にますます浸透し、日米の二国間の絆を強めることに寄与しています。このような文化的意味合いでの相互作用が高まる中、「変革(チェンジ)」をスローガンとする、オバマ新大統領のリーダーシップの下、日米関係、とりわけ、文化的な面での結び付き・協力関係はどのような方向に進むのでしょうか? また、こうした状況下で、非政府(民間)の文化交流団体の役割をどのような側面に見出すことができるでしょうか?  日米両国のさまざまな文化教育交流に携わってきた経験をもとに、ウッド氏が文化的なパースペクティブから今後の日米関係を展望します。

リチャード・J・ウッド  プロフィール

リチャード・J・ウッド米国の対日理解の促進および良好な日米関係の推進を目的に、さまざまな文化・教育プログラムを実施しているニューヨークの民間非営利団体ジャパン・ソサエティー理事長。イェール大学でPh. D.(博士号)取得後、日本の宗教、倫理、哲学、美学を主な専門領域として研究。1985年から1996年までアーラム大学の学長を務めた後、米国でも有数の神学研究で名高いイェール大学の神学部長に就任。国際的にも著名な日本研究者として、講演や執筆活動を通じ、海外における日本学の推進に貢献する一方で、日米友好基金理事長や日米交流財団の創設者として、日米両国の友好関係の強化に寄与している。
Photo: Ken Levinson