【ALFP講演会シリーズ/APYLPジョイント・セッション】
アジアの宗教—平和構築に宗教が果たす役割

  • スピーカー
    アルバート・アレホ(平和活動家、アテネオ・デ・マニラ大学助教授 / フィリピン)
    ジハーン・ペレーラ(ナショナル・ピース・カウンシル常務理事 / スリランカ)
    フォージア・サイード(社会活動家、UNDPパキスタン事務所ジェンダーアドバイザー)
  • 司会: 小川 忠(跡見学園女子大学教授)
  • 日時: 2019年9月4日(水)6:30~8:30 pm (開場 6:00 pm)
  • 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
  • 共催: 国際交流基金アジアセンター
  • 助成: 米日財団、MRAハウス
  • 用語: 英語 / 日本語 (同時通訳つき)
  • 参加費: 無料 (要予約:定員180名)
  • お申し込み

近年、世界各地で、異なる宗教間の対立や特定のグループや人々に対する攻撃が後を絶たず、多くの人が異教徒に対して恐怖心や憎悪を抱き、排除しようとする動きが強まる中、宗教そのものが対立の原因とされる傾向が見られます。しかしながら、アジアでは、宗教が人と人とをつなげる役割を果たしてきたことも明らかです。本講演会では、宗教が政治に悪用されている状況を憂慮して、長年にわたり、アジアの国々で平和活動に取り組んでいる3名の活動家を迎え、脆弱な状況におかれた人々を迫害し続けている社会の実態についてお話しいただきます。また、これまで宗教紛争を乗り越えて平和を模索する中で、どのように異なる思想宗教を持つ人々の相互理解を深めてきたか、平和の実現のために今後何をすべきかを議論します。

アルバート・アレホ(平和活動家、アテネオ・デ・マニラ大学助教授)
写真:アルバート・アレホイエズス会司祭であるアレホ氏は、異文化間・宗教間の対話促進、汚職や暴力の撲滅運動、人身売買研究を通じて、フィリピンの平和構築に尽力。長きにわたり、ミンダナオにおけるキリスト教徒とイスラム教徒の対立に関する公開協議を実施し、「ミンダナオ2020平和と開発の枠組み」の拡充と和平プロセスに貢献してきた。また、全国規模の反汚職運動「Ehem!」を起こし、国民の認識を促した。著書『Generating Energies in Mount Apo』(アテネオ・デ・マニラ大学出版、2000年)は、先住民の擁護やムスリム市民社会との対話を推進する「Mindanawon Initiatives for Cultural Dialogue」の創設に寄与。ロンドン大学で人類学の博士号を取得。現在は、アテネオ・デ・マニラ大学にて、社会学、人類学、組織神学、哲学を教えている。(2006年度ALFPフェロー)
ジハーン・ペレーラ(ナショナル・ピース・カウンシル常務理事)
写真:ジハーン・ペレーラ長年にわたり、スリランカにおける平和構築のために幅広く活動。平和に向けた市民運動の促進や民族対立を政治的に解決するための交渉を行うナショナル・ピース・カウンシルをはじめ、自由で公平な選挙を推進する「PAFFREL」など、多数の市民社会団体の役員を務める。これまでに、スリランカ政府より国家統合のための諮問委員にも任命されている。また、スリランカにおける紛争解決および平和構築についての論考を多数執筆している。堺平和貢献賞、平和・寛容・調和のためのクワジャ・モイヌディン・チシュティー賞、スウェーデン友和会非暴力賞などを受賞。ハーバード大学にて法学博士号を取得。(2011年度ALFPフェロー)
フォージア・サイード(社会活動家、UNDPパキスタン事務所ジェンダーアドバイザー)
写真:フォージア・サイードパキスタンの社会運動家の間で最も知られる活動家の一人として、女性や民俗文化を重点に、人権、民主主義、多様性の擁護と推進のために尽力してきた。ミネソタ大学で博士号を取得後、パキスタン初の女性のための救援センターを創設、アクション・エイドのパキスタン代表を務めるなど幅広く活躍。国連勤務時代の90年代後半には、同僚とともに職場におけるセクシュアル・ハラスメント問題に挑み、組織内の制度改革に寄与した。また、イスラム神秘主義をはじめとする、人と人とをつなげる力を持つ民間伝承や伝統文化を通じて、イスラム過激派によって苦しめられている国内の女性のエンパワーメントに取り組んでいる。著書に、パキスタンの性産業文化とそれに関わる女性について考察した『タブー:パキスタンの買春街で生きる女性たち』(コモンズ、2010年)など。2012年には、30年に及ぶ女性の権利のための活動が認められ、国際的なBattle of Crete賞を受賞。(2010年度ALFPフェロー)
小川 忠(跡見学園女子大学教授)
写真:小川忠1982年に国際交流基金入社以来、35年にわたり日本を海外に紹介し、相互理解を増進する国際交流の現場に従事。1996年に始動したALFPには、立ち上げ期から携わる。同基金ニューデリー事務所長、ジャカルタ日本文化センター所長、企画部長を経て、2017年より跡見学園女子大学教授。インドネシアやインドにて積み重ねた文化・宗教と社会の関わりについての観察をもとに、国際文化交流政策、東南アジア・南アジアの現代文化、比較宗教社会学等を研究。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士号取得。著書に『インドネシア イスラーム大国の変貌:躍進がもたらす新たな危機』(新潮社、2016年)など。
*国際文化会館と国際交流基金が1996年より共同で実施しているアジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム(ALFP)は、社会の課題に積極的に取り組む市民社会に根ざした各分野の知識人を、アジア諸国からフェローとして招聘し、意見交換や共同作業を通じて、信頼関係の醸成や、国や専門を超えた人的ネットワークの拡大・強化を目指すものです。
*アジア・パシフィック・ヤング・リーダーズ・プログラム(APYLP)は、アジア太平洋地域の未来を担うさまざまなリーダーシップ・プログラムを繋ぎ継続的な研鑚の機会を提供することで、フェローたちがプログラムの垣根を越えて新たな取り組みを生み出すことを目指すものです。