Hasso会

国際文化会館は1952年に、ジョン・D・ロックフェラー3世と松本重治を中心に設立され、戦後、日本が国際社会に復帰する上で不可欠な役割を果たしてきました。以来、立場や世代、性別、国籍、宗教などあらゆる垣根を越えてさまざまな人々が集まり、思索し、語り合い、創造するための機会と場を提供し続けています。戦後70年以上経た現在、未だ文化・歴史的背景の違いによる課題が山積している世界で、現代社会のさまざまな課題に対して当事者意識をもって取り組んでいる “Agent of Change” を囲み、多様な視点から密度の濃い意見交換会を実施しています。参加者に会館主催/共催の講演会の講師やモデレーターを依頼する他、本会で得た考えや意見、アイデアを各自が所属企業・団体や協会、コミュニティなどに持ち帰り普及する形で、本会の成果を有効にフィードバックしています。

《Hasso会の由来》
20世紀初頭、現在の国際文化会館の地が井上馨邸だった頃、茶室「八窓庵(はっそうあん)」があったことに因みます。そもそも茶室とは、戦国時代には武士たちがにじり口で刀を外し、敵対関係や身分に関係なく平等に対話ができる重要な社交の場でしたが、明治時代に井上馨邸に移築された八窓庵では、時代を代表するリーダーたちが集まるようになり、日本の近代化や国際化に貢献しました。当会館も、そうした精神を受け継ぎ、さまざまな分野のリーダーが自由闊達に意見を交わす場所であり続けたいという想いを込めて「Hasso会」と名付けました。

【これまで実施した会合】
「100年つづく”ものづくり”を目指す」
  皆川 明 氏(ミナ ペルホネン デザイナー)
1995 年に「minä perhonen」 の前身である「minä」を設立。ハンドドローイングを主とする手作業の図案によるテキスタイルデザインを中心に、衣服をはじめ、家具や器、店舗や宿の空間ディレクションなど、日常に寄り添うデザイン活動を行っている。デンマークKvadrat、スウェーデンKLIPPAN などのテキスタイルブランド、イタリアの陶磁器ブランドRiahard Ginori へのデザイン提供、新聞・雑誌の挿画なども手掛ける。


「“いのち輝く未来社会のデザイン”に向けて」
  藤本 壮介 氏(建築家)
北海道生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介建築設計事務所を設立。2014年フランス・モンペリエ国際設計競技最優秀賞(ラルブル・ブラン)に続き、2015、2017、2018年にもヨーロッパ各国の国際設計競技にて最優秀賞を受賞。2019年に津田塾大学小平キャンパスマスタープラン策定業務のマスターアーキテクトに選定される。主な作品に、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013、House NA (2011年)、武蔵野美術大学 美術館・図書館 (2010年)、House N (2008年) 等がある。

  宮田 裕章 氏(慶應義塾大学 医学部教授、国際文化会館 理事)
保健学博士(東京大学大学院医学系研究科)。データサイエンスなどの科学を駆使して社会変革に挑戦し、現実をより良くするための貢献を軸に研究活動を行う。専門医制度と連携し5000病院が参加するNational Clinical Database、LINEと厚労省の新型コロナ全国調査など、医学領域以外も含む様々な実践に取り組むと同時に、経団連や世界経済フォーラムと連携して新しい社会ビジョンを描く。いのちを響き合わせて多様な社会を創り、その世界を共に体験する中で一人ひとりが輝くという“共鳴する社会” の共創を目指す。


「奈良と映画を通じた活動」
  河瀨 直美 氏(映画監督)
生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続ける。一貫した「リアリティ」の追求はドキュメンタリー、フィクションの域を越えて、カンヌ映画祭をはじめ、世界各国の映画祭での受賞多数。代表作は『萌の朱雀』『殯の森』『2つ目の窓』『あん』『光』など。最新作に『朝が来る』。東京 2020 オリンピック競技大会公式映画監督。2025年大阪・関西万博プロデューサー、シニアアドバイザーに就任。故郷奈良で2010年に「なら国際映画祭」を立ち上げ後進の育成に力を入れる。

なら国際映画祭2020応援ツアー「歴史から学ぶ共創する未来」



「スポーツの力と日本フェンシング協会の改革」
 太田 雄貴 氏(日本フェンシング協会 会長)
小学3年生からフェンシングを始め、高校時代にはインターハイ3連覇を達成。日本代表として多くの国際大会に出場しアテネオリンピックで9位、北京オリンピックでは日本フェンシング史上初となる銀メダルを獲得。2012年のロンドンオリンピックにおいても、フルーレ団体で銀メダルを獲得した。 2015年には世界選手権で、日本人初の金メダルを獲得した。2016年に現役引退後もフェンシングの普及に取り組み、現在は日本フェンシング協会会長、国際フェンシング連盟の副会長を務める。




「アートとテクノロジーが切り開く未来」
 脇田 玲 氏(慶應義塾大学環境情報学部 学部長)
科学と現代美術を横断するアーティストとして、高度な数値計算に基づくシミュレーションを駆使し、映像、彫刻、インスタレーション、ライブ活動等を展開している。これまでに Ars Electronica Center, Mutek, WRO Art Center, 清春芸術村, 日本科学未来館などで作品を展示。2016年からは音楽家 小室哲哉とのコラボレーション・プロジェクトを開始し、Ars Electronica Festival や RedBull Music Festival で作品を発表している。2019年より慶應義塾大学SFC環境情報学部長に就任。


     杉山 央 氏(森ビル株式会社 新領域企画部、MEDIA AMBITION TOKYO理事)

学生時代から街を舞台にしたアート活動を展開、2000年に森ビル株式会社へ入社。タウンマネジメント事業部、都市開発本部を経て六本木ヒルズの文化事業を手掛ける。2018年「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」企画運営室長として年間230万人の来館者を達成。世界で最も優れた文化施設等におくられるTHEA Awards、日経優秀製品サービス賞最優秀賞等を受賞。現在は、新領域企画部にて未来の豊かな都市生活に必要な文化施設等を企画している。

「コロナの時代を生きる~先人の経験に学ぶ」
 松山 大耕 氏(妙心寺退蔵院 副住職)
1978 年京都市生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科修了。埼玉県新座市・平林寺にて3年半の修行生活を送った後、2007年より退蔵院副住職。日本文化の発信・交流が高く評価され、2009年観光庁Visit Japan大使に任命される。また、2011年より京都市「京都観光おもてなし大使」。2016年『日経ビジネス』誌の「次代を創る100人」に選出され、同年より「日米リーダーシッププログラム」フェローに就任。2018年より米・スタンフォード大客員講師。2019年文化庁長官表彰(文化庁)、重光賞(ボストン日本協会)受賞。2011年には、日本の禅宗を代表してヴァチカンで前ローマ教皇に謁見、2014年には日本の若手宗教家を代表してダライ・ラマ14世と会談し、世界のさまざまな宗教家・リーダーと交流。また、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席するなど、世界各国で宗教の垣根を超えて活動中。


「日本の『構造的差別』の現実と解決」
 スプツニ子! 氏(アーティスト・デザイナー・東京藝術大学デザイン科准教授)
1985年生まれ。インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科および情報工学科を卒業後、英国王立芸術学院(RCA)デザイン・インタラクションズ専攻修士課程を修了。RCA在学中より、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映させた映像インスタレーション作品を制作。最近の主な展覧会に、2019年「未来と芸術展」(森美術館)「Cooper Hewitt デザイントリエンナーレ」(クーパーヒューイット、アメリカ)、「BROKEN NATURE」(第22回ミラノトリエンナーレ,伊)、2017年「JAPANORAMA」(ポンピドゥーセンターメス、仏)2016年「第3回瀬戸内国際芸術祭」(ベネッセアートサイト直島)、「Collecting Future Japan – Neo Nipponica」(ビクトリア&アルバート博物館、イギリス)など。2013年よりマサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボ 助教に就任しDesign Fiction Group を率いた。 その後東京大学生産技術研究所特任准教授を経て、現職。VOGUE JAPAN ウーマンオブザイヤー2013受賞。2014年FORBES JAPAN 「未来を創る日本の女性10人」選出。2016年 第11回「ロレアル‐ユネスコ女性科学者 日本特別賞」受賞。2017年 世界経済フォーラム 「ヤンググローバルリーダーズ」、2019年TEDフェローに選出。著書に「はみだす力」。

「すべてはビジョンから始まる」
 中川 政七 氏(株式会社中川政七商店 代表取締役会長)
1974年生まれ。京都大学法学部卒業後、2000年富士通株式会社入社。2002年に株式会社中川政七商店に入社し、2008年に十三代社長に就任、2018年より会長を務める。業界初の工芸をベースにしたSPA業態を確立し、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、業界特化型の経営コンサルティング事業を開始。初クライアントである長崎県波佐見焼の陶磁器メーカー、有限会社マルヒロでは新ブランド「HASAMI」を立ち上げ空前の大ヒットとなる。現在は奈良の地に数多くのスモールビジネスを生み出し、街を元気にするプロジェクト「N.PARK PROJECT」を提唱。産業観光によりビジョンの実現を目指している。2015年には、独自性のある戦略により高い収益性を維持している企業を表彰する「ポーター賞」を受賞。「カンブリア宮殿」「SWITCH」などテレビ出演のほか、経営者・デザイナー向けのセミナーや講演歴も多数。著書に『小さな会社の生きる道。』(CCCメディアハウス)、『経営とデザインの幸せな関係』(日経BP 社)、『日本の工芸を元気にする!』(東洋経済新報社)

前橋・白井屋ホテル視察ツアー



「違うからこそ一緒にいられる~哲学対話から考える新たなコミュニティ」
 梶谷 真司 氏(東京大学大学院総合文化研究科 教授)
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。専門は哲学、医療史、比較文化。著書に『シュミッツ現象学の根本問題~身体と感情からの思索』(京都大学学術出版会・2002年)、『考えるとはどういうことか~0歳から100歳までの哲学入門』(幻冬舎・2018年)などがある。近年は、哲学対話を通して、学校教育、地域コミュニティなどで、「共に考える場」を作る活動を行い、そこからいろんな人が共同で思考を作り上げていく「共創哲学(inclusive philosophy)」という新しいジャンルを追求している。


「現代美術の国際的動向と日本からの発信」
 片岡 真実 氏(森美術館 館長)
ニッセイ基礎研究所都市開発部研究員、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年より森美術館。2020年より現職。これまでアジア人作家を中心に、艾未未(2019年、2012-2014年海外巡回)、会田誠(2012年)、塩田千春(2019年、2019-2023年海外巡回予定)を含む数多くの個展、グループ展を手掛ける。最新の展覧会は「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」(2021年、森美術館)。2007~2009年はヘイワード・ギャラリー(ロンドン)にて、インターナショナル・キュレーターを兼務。第9回光州ビエンナーレ(2012年)共同芸術監督、第21回シドニー・ビエンナーレ(2018年)芸術監督。2022年開催予定の国際芸術祭「あいち2022」芸術監督。2014年からCIMAM(国際美術館会議)理事、2020年より会長を務める。


「脳の可能性を追求するということ」
 牛場 潤一 氏(慶應義塾大学理工学部 教授;研究成果活用企業 株式会社LIFESCAPES 代表取締役社長)
2001年、慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。2004年、博士(工学)取得。同年、慶應義塾大学理工学部生命情報学科に助手として着任。2007年同専任講師、2012年同准教授を経て、2022年より現職。2014~2018年、慶應義塾大学基礎科学・基盤工学インスティテュート(KiPAS)主任研究員。2019年より研究成果活用企業Connect株式会社代表取締役社長を兼務。共著書に『バイオサイバネティクス 生理学から制御工学へ』(コロナ社)がある。The BCI Research Award 2019, 2017, 2013, 2012, 2010 Top 10-12 Nominees、文部科学省「平成27年度若手科学者賞(ブレインマシンインターフェースによる神経医療研究)ほか、受賞多数。


「幸せの企画術」
 小山 薫堂 氏(放送作家、脚本家、京都芸術大学副学長)
1964年6月23日熊本県天草市生まれ。日本大学芸術学部放送学科在籍中に「11PM」で放送作家としての活動を開始。「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」など斬新なテレビ番組を数多く企画。脚本を担当した映画「おくりびと」で第32回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第81回米アカデミー賞外国語部門賞、第60回読売文化賞を獲得。執筆活動の他、地域・企業のプロジェクトアドバイザー、下鴨茶寮主人などを務める。2025年大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーを務める。熊本県のPRキャラクター「くまモン」の生みの親でもある。2015年より、現代に生きる日本人が日常の習慣として疑わない「入浴」行為を突き詰め、日本文化へと昇華させるべく「湯道」を提唱。現在、雑誌penにて「湯道百選」を連載中。2020年10月「一般社団法人湯道文化振興会」を創設した。


「新しい資本主義を支える理論 社会的共通資本」
 占部 まり 氏(内科医)
1965年シカゴにて宇沢弘文の長女として生まれる。1990年東京慈恵会医科大学卒業。1992~94年メイヨークリニックーポストドクトラルリサーチフェロー。地域医療に従事するかたわら宇沢弘文の理論をより多くの人に伝えたいと活動をしている。2015年3月に国連大学で国際追悼シンポジウム開催、2019年 日経SDGsフォーラム共催『社会的共通資本と森林』『社会的共通資本と医療』など。2022年5月1日京都大学人と社会の未来研究院に社会的共通資本と未来寄付研究部門が設立される。環境問題や教育・医療など社会的共通資本を基軸に多角的な横断研究が展開される予定でそちらにも研究員として参画予定である。宇沢国際学館代表取締役、日本メメント・モリ協会代表理事、日本医師会国際保健検討委員。JMA-WMA Junior Doctors Network アドバイザー。


「動画メディアへのパラダイムシフトー動画起点で産業構造が変わるー」
 塚本 大地 氏(株式会社MEDIX代表取締役CEO)
名古屋大学在学中に、株式会社ZIZAIを創業
25歳で売上20億円、利益10億円を達成
26歳でキャラクター事業をバンダイナムコアーツへ売却
27歳で株式会社IRIAMを評価額150億円でDeNAへ売却
28歳で株式会社ZIZAIをDMMへ売却
5件の事業買収と3件の売却を経験
ZIZAIの売却と同時に新設分割により株式会社MEDIXを創業






「承継と継承、世襲の美学とジレンマ」
 奈良 祐希 氏(陶芸家、建築家)
350年余年の歴史を誇る大樋焼(石川県金沢市)の窯元に生まれる。祖父は工芸界で存命唯一の文化勲章受章者である大樋陶冶斎、父は十一代大樋長左衛門。
2013年東京藝術大学美術学部建築科卒業、2016年多治見市陶磁器意匠研究所修了。2017年東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻首席卒業、2022年株式会社EARTHEN設立。
陶芸分野では、Art Basel / Design Miami(スイス)、TEFAF(オランダ)、SOFA(アメリカ)等の海外アートフェアに招待出品。2022年、代表作「Bone Flower」が世界屈指の現代美術コレクションを誇る金沢21世紀美術館に史上最年少で永久収蔵される。
建築分野では、臺南市美術館(台湾)のオープニングインスタレーションに採用された五行茶室(2018)やNode(企業新社屋/金沢市)など。2021年には若手建築家の登竜門 Under 35 Architect exhibitionのファイナリストに選出される。金沢と東京の2拠点を中心に陶芸と建築、2つの領域をクロスオーバーさせた創作活動を展開している


「化粧史から見る日本人の美意識」
  山田 メユミ 氏(株式会社アイスタイル取締役/共同創業者)
東京理科大学基礎工学部生物工学科卒。学生時代から「化粧品のものづくりに携わりたい」と化粧品業界を志望し、化粧品原料メーカー研究員、化粧品メーカー商品開発プランナーを経て、1999年アットコスメを運営する(株)アイスタイルを共同創業。企業ビジョンに「生活者中心の市場の創造」を掲げ、多くの女性達のリアルな声を市場に届ける業界特化型プラットフォームの構築に努めてきた。同社は2012年3月東証マザーズ上場、その後11月一部へ市場変更。現在もアイスタイル取締役、および上場企業3社の社外取締役を務めるほか、昨年、有志と共に一般社団法人バンクフォースマイルズを設立。各メーカーが保有する余剰製品を集めて経済的困難下で頑張る女性達へお届けする「コスメバンクプロジェクト」を発足し、30社を超える化粧品関連企業と協働しながら「女性と地球にスマイルを」を合言葉に活動している。


  河野 太郎 氏(デジタル大臣)

ご略歴:
1963年生まれ
1985年 米国ジョージタウン大学卒業
1986年 富士ゼロックス株式会社入社
1993年 日本端子株式会社入社
1996年 第41回衆議院議員総選挙で神奈川県15区初当選以来連続当選(9期)
1999年 株式会社湘南ベルマーレ代表取締役会長に就任
2002年 総務大臣政務官就任
2002年 生体肝移植のドナーになって父親に肝臓を移植する
2005年 法務副大臣就任
2008年 衆議院外務委員長就任
2015年 国務大臣、国家公安委員会委員長、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(防災、規制改革、消費者及び食品安全)就任
2017年 外務大臣就任
2019年 防衛大臣就任
2020年 国務大臣、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(規制改革・沖縄及び北方対策)就任
2021年 新型コロナウイルス感染症ワクチン接種担当を兼務
2022年 デジタル大臣、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)就任


「『グッド・アンセスター』―私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか」
  松本 紹圭 氏(僧侶/Ancestorist)
世界経済フォーラム(ダボス会議)Young Global Leaders Alumni。武蔵野大学客員教授。東京大学哲学科卒。インド商科大学院(ISB)MBA。2012年から現在まで、未来の住職塾の立ち上げ、講師を務める。著書『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は世界17ヶ国語以上で翻訳出版。翻訳書に『グッド・アンセスター わたしたちは「よき祖先」になれるか』(あすなろ書房)。noteマガジン「松本紹圭の方丈庵」発行。ポッドキャスト「Temple Morning Radio」は平日朝6時に配信中。


「The Infinite and the Intimate: The architecture of memory」
  Michael Murphy 氏 (architect)
Michael Murphy is an architect, artist, educator and writer. Michael P. Murphy Studios, focuses on spatial change and transformation in the public realm. Michael was the partner with Hank Willis Thomas on The Embrace, and lead the design of the 1965 Freedom March Plaza as Executive Director and Founder of MASS Design Group, which he lead until December 2022. Michael’s recent book, The Architecture of Health, traces the history of medical design and its attempt to align architecture with health outcomes. Michael is the current Thomas Ventulett Chair of Architecture at Georgia Tech, and serves on the board of MASS Design Group, which he founded and led until 2022; where he was the lead designer of such projects as the Butaro District Hospital, the National Memorial For Peace and Justice, and the National Gun Violence Memorial. Michael has a BA from University of Chicago, an M.Arch from Harvard graduate school of Design, and lives in Boston with his wife and two children.


細谷 雄一 氏(国際政治学者、国際文化会館理事、API研究主幹、慶應義塾大学法学部教授)
立教大学法学部卒業、英国バーミンガム大学大学院国際学研究科修了(MIS)、慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程および博士課程修了。博士(法学)。安倍晋三政権において、「安全保障と防衛力に関する懇談会」委員(2013年)、および「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員(2013-14年)、国家安全保障局顧問会議顧問(2014-16年)を歴任。自民党「歴史を学び、未来を考える本部」顧問(2015-18年)著書に『戦後国際秩序とイギリス外交―戦後ヨーロッパの形成、1945~51年』(創文社、サントリー学芸賞、2001年)、『外交―多文明時代の対話と交渉』(有斐閣、2007年)、『倫理的な戦争―トニー・ブレアの栄光と挫折』(慶應義塾大学出版会、読売・吉野作造賞、2009年)、『国際秩序―18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』(中公新書、2012年)、『〔戦後史の解放Ⅰ〕歴史認識とは何か―日露戦争からアジア太平洋戦争へ』(新潮選書、2015年)、『安保論争』(ちくま新書、2016年)、『迷走するイギリス』(慶應義塾大学出版会、2016年)、『〔戦後史の解放Ⅱ〕自主独立とは何か』(新潮選書、2018年)、『軍事と政治 日本の選択-歴史と世界の視座から』(編著、文春新書、2019年)。


「Space within Your Reach〜宇宙を普通の場所に」
 中村 友哉 氏(株式会社アクセルスペース 代表取締役CEO)
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。在学中に手のひらサイズの人工衛星「キューブサット」の開発に従事し、2003年に世界で初めて打ち上げ・軌道上運用に成功。その後も研究の傍ら合計3機の超小型衛星プロジェクトに関わる。卒業後、同専攻での特任研究員を経て2008年に株式会社アクセルスペースを設立、代表取締役に就任。同社はこれまでに9機の小型衛星開発・製造、打ち上げ、運用実績を持つ。2015年より宇宙政策委員会部会委員を歴任。2022年Japan Venture Awards 経済産業大臣賞受賞。


「アーティストの表現の場となる都市、TOKYO NODEの全貌について」
 杉山 央 氏(アート・テクノロジー領域のプロデューサー)
2018年「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」室長を経て、現在は森ビル新領域企画部にて2023年開業の美術館・文化発信施設の企画を担当。
2025大阪関西万博シグネチャーパビリオン「いのちのあかし」計画統括ディレクター。2027横浜国際園芸博覧会テーマ事業展示ディレクター。一般社団法人Media Ambition Tokyo理事。祖父は日本画家 ・杉山寧と建築家 ・谷口吉郎、伯父は三島由紀夫。


「宇宙に関するルールメイキングについて」
 中村 仁威 氏(外務省欧州局参事官、軍縮不拡散・科学部参事官)
東京生まれ。早稲田大学卒業後、外務省に入省(旧外交官試験101期)。主に国際法、対米外交、安全保障畑を歩み、2度の在米大使館勤務を通じて、連邦議会へのロビイングの第一人者となり、NHKで特集が組まれるなどした。政府内の業務と並行して、ジョージワシントン大学宇宙政策研究所の研究員を兼職し、国際法・宇宙法の研究を継続。日本政府職員としては唯一、ワシントンDCの宇宙サークルで長期にわたって活動を継続している。現在は、日欧関係の中で宇宙協力の主流化を図りつつ、ジュネーブ軍縮会議等における宇宙関係の交渉を統括。また、9月には、世界最古の国際法学会である国際法協会の150周年記念大会で日本代表として登壇するなど、アカデミアにおける発信も数多く行っている。著作に『宇宙法の形成』(信山社、単著)、A Research Agenda for Space Policy(Elgar、共著)など。官民の知的交流団体であるSpace Sustainability Platform, Japan共同代表。


「ビジネスと人権」
 土井 香苗(国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)日本代表、ニューヨーク州弁護士)
日本での弁護士活動を経て、2008年から現職。大学在学中に、当時アフリカで一番新しかった国エリトリアで1年間法律作成支援ボランティアをしたことが活動の原点。日本外交を通じた世界各地の人権の保護・促進、そして、日本国内における人権問題の解決にむけて活動中。最新報告書は、2023年5月「日本の『人質司法』―保釈の否定、自白の強要、不十分な弁護士アクセス―」。1998年東京大学法学部、2000年弁護士登録、2006年ニューヨーク大学ロースクール卒業(LL.M.)卒業。




「Enjoy Baseballとは何か:『勝ち』と『価値』の両立へ」
 森林 貴彦(慶應義塾幼稚舎教諭、慶應義塾高校野球部監督)
慶應義塾大学法学部卒業。大学時代は母校慶應義塾高校野球部で学生コーチを務める。3年間のNTT勤務を経て、筑波大学大学院コーチング論研究室に在籍し教員免許(保健体育)と修士号(体育学)を取得。並行して、つくば秀英高校で野球部コーチを務める。2002年より慶應義塾幼稚舎教諭として担任を務める傍ら、母校野球部でコーチ・助監督を歴任し、2015年監督就任。2018年春・夏、2023年春・夏の全国大会出場。2023年夏に107年ぶりの全国優勝を果たす。主な著書に『Thinking Baseball』(2020、東洋館出版社)。




「新時代の日本初クロスボーダービジネスを考える」
 秋山 広宣(株式会社INFORICH代表取締役社長兼執行役員CEO)
香港生まれ日本育ち。2007年にユニバーサルミュージックで3ヶ国語を駆使したアーティストとして活躍。2012年に香港に移り住み、福岡県香港駐在事務所顧問、2014年にマザーズ上場をした株式会社IGNIS設立時の海外事業室長など、日本企業の香港誘致、M&Aなどのクロスボーダービジネスのコンサルティング業を担う。2015年に株式会社INFORICHを創業。2022年12月20日に東京証券取引所グロース市場に上場をし、現在モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」をグローバルに展開中。




「海苔業界の課題とこれから」
 山本 貴大(株式会社山本海苔店 代表取締役社長)
1983年生まれ、東京都出身。2005年に慶應義塾大学法学部卒業後、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。2008年に山本海苔店に入社し、仕入部で海苔の仕入れを一から学ぶ。翌年より山本海苔店の子会社、丸梅商貿(上海)有限公司に勤務し、上海環球金融中心におむすび屋「Omusubi Maruume」の出店に携わる。2011年に帰国、シンガポール髙島屋、台北三越店と海外店舗立上げに参画。2016年専務取締役営業本部長、2017年専務取締役営業本部長兼管理本部長、2021年代表取締役社長に就任。1849年創業「山本海苔店」の170年以上続く事業の7代目を受け継ぐ立場として、営業全般を担いながら海苔文化の普及活動にも尽力している。


「Archaeology of the Future」
田根 剛 Tsuyoshi Tane(建築家)

1979年東京生まれ。ATTA – Atelier Tsuyoshi Tane Architectsを設立、フランス・パリを拠点に活動。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に『エストニア国立博物館』(2016)、『弘前れんが倉庫美術館』(2020)、『アルサーニ・コレクション財団・美術館』(2021)、『帝国ホテル 東京・新本館』(2036年完成予定)など多数。主な受賞に、フランス芸術文化勲章シュヴァリエ、フランス国外建築賞グランプリ、フランス建築アカデミー新人賞、エストニア文化基金賞グランプリ、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞、毎日デザイン賞2021など多数受賞 。著書に『TSUYOSHI TANE Archaeology of the Future』(TOTO出版)など。