【アイハウス・プレス】 A History of Japanese Political Thought, 1600-1901

A History of Japanese Political Thought, 1600-1901
A History of Japanese Political Thought, 1600-1901
By Watanabe Hiroshi (Professor, Hosei University)

渡辺 浩 著 (David Noble 訳)
2012年/560ページ/ハードカバー
ISBN 978-4-903452-24-1
原著: 渡辺 浩 著『日本政治思想史:十七世紀~十九世紀』(東京大学出版会、 2010年刊)
定価 3,000円(2,858円+税)/ 優待価格* 2,100円(税込)
*優待価格は国際文化会館会員の方に適用されます。

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 ペリー提督率いる米海軍艦隊の日本来航は1853年。そのわずか14年後、250年の長きにわたった徳川時代が幕を閉じた。サムライの支配が一気に崩れてしまった背景には何があったのか。
渡辺浩は、1868年の明治維新という劇的な出来事に帰着した政治思想の静かな変化を辿る。普遍的な道と天命を帯びた高徳の支配者による慈悲深い統治(仁政)といった儒教的理想が、連綿と日本の儒学者によって教えられ、国中に浸透し、軍事的支配を暗黙裡に脅かしていた。長年にわたり、国民意識の発達、京都朝廷の威信の高まり、西洋に関する知識の増加が、開国を巡って国を挙げて討論する状況を作り出し—さらにはラジカルな政治変革を生じさせる状況を作り出していた。
渡辺は、同時代資料を幅広く渉猟し、3世紀に及ぶ日本政治思想への、簡潔な、しかし目配りの行き届いた、見取り図を提示する。中国の政治哲学を中国とは全く異なる日本文化に適用することの含意を吟味し、近世(アーリーモダン)日本に魅力的な眼差しを向け、サムライの悲哀、農民のための様々な異議申し立て、セクシュアリティと社会秩序、明治初期の新思想や自由に対する興奮などを描き出す。