【japan@ihj】 紀元二千六百年:戦時期の近代性を再考する

【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.22, No.1, 2011に掲載されています。】

  • 講師: ケネス・J・ルオフ(ポートランド州立大学教授)
  • 司会: 戸谷 由麻(ハワイ大学マノア校准教授)
  • 日時: 2011年1月19日(水) 7:00 – 8:30 pm
  • 会費: 無料(要予約)
  • 用語: 英語(通訳なし)

本講演は、ルオフ氏の新著に基づくもので、1940年の大日本帝国建国2600周年記念に焦点を当てながら、戦時期の近代性を考察します。日中戦争や日米関係の悪化に端を発する太平洋戦争の戦時体制までの歴史を、暗い谷間としてのみ捉えるのではなく、紀元二千六百年を契機とした観光や消費文化への市民意識の高まりなどにみられるような、陰の側面とは異なる別の視点―戦況が日本に不利になるまで、市民生活は比較的快適に営まれていた―から再考します。

略歴:ケネス・J・ルオフ

ケネス・J・ルオフコロンビア大学にて博士号取得(日本史専攻)。現代日本における天皇制研究で名高い。ハーバード大学ライシャワー日本研究所を経て、現職。日本近代史、日米関係、日系アメリカ人研究など幅広く日本研究に従事している。主な著書に、『国民の天皇 戦後日本の民主主義と天皇制』(共同通信社2003、大佛次郎論壇賞)、『紀元二千六百年―消費と観光のナショナリズム』(朝日新聞出版2010)など。