【japan@ihj】 サイボーグの出現: 土方巽と暗黒舞踏からみた日本の戦後 

  • *本プログラムは講演会です。ダンス・パフォーマンスはございません。
  • 講師: ブルース・ベアード (マサチューセッツ大学アマースト校准教授)
  • コメンテーター: 石井 達朗 (舞踊評論家)
  • 日時: 2014年2月13日(木) 7:00 pm-
  • 会場: 国際文化会館 講堂
  • 用語: 英語 (通訳なし)
  • 会費: 無料 (要予約・定員70名)
   
    『土方巽と日本人―
肉体の叛乱』 (1968)
撮影 : 中谷忠雄

土方巽(1928-1986)は、この半世紀で演劇とダンスの世界に国際的な影響を最も与えた「舞踏」という舞踊形式を確立しました。しかし、世界で高い関心を集めていても、日本の戦後史における舞踏の立ち位置についての理解は広がっていきませんでした。また、舞踏は、いまだに「裸に近い白塗りのダンサーたちが、静かに動いているもの」というステレオタイプによって理解されがちです。しかし、四半世紀に及ぶ土方の活動は、このイメージよりもはるかに多様なものでした。本講演では、ベアード氏に、日本の戦後史における土方の活動を捉え、さらにその歴史的展開に焦点をあててお話しいただきます。また、土方自身が踊る様子を記録した短い映像も紹介します。

写真・映像提供: 慶應義塾大学アートセンター

略歴: ブルース・ベアード

写真:ブルース・ベアードマサチューセッツ大学アマースト校准教授、慶應義塾大学アートセンター訪問准教授。氏の関心領域は、日本の演劇、哲学、ニューメディア。フルブライト奨学金受賞者で、主著に、暗黒舞踏の創始者である土方巽についての Hijikata Tatsumi and Butoh: Dancing in a Pool of Gray Grits [土方巽と舞踏―灰色の粉のプールで踊る] (Palgrave Macmillan, 2012) がある。現在、舞踏の一般的な歴史について研究中。

略歴: 石井達朗

慶應義塾大学卒。ニューヨーク大学(NYU)大学院演劇学部研究員(1979-81年)、同大学院パフォーマンス研究科研究員(1987-89年)を経て慶応大学教授(1990-09年)。現代、早稲田大学、愛知県立芸術大学などで舞踊論を講義。2003年第14回カイロ国際実験演劇祭審査員。01年より04年まで朝日舞台芸術賞選考委員。05年韓国ソウルの国立劇場における舞踏フェスティバル実行委員長。06年および08年トヨタコレオグラフィーアワード審査員。主な著書に『アウラを放つ闇―身体行為のスピリット・ジャーニー』『男装論』『サーカスのフィルモロジー』『アジア、旅と身体のコスモス』『ポリセクシュアル・ラヴ』『アクロバットとダンス』『異装のセクシュアリティ』『身体の臨界点』など。