【日文研 ・アイハウス連携フォーラム】 越境する「大衆文学」の力
―なぜ中国で松本清張が流行るのか

  • ※本講演は終了いたしました。
  • 講師: 王 成 (清華大学教授/国際日本文化研究センター外国人研究員)
  • 日時: 2014年12月11日(木) 6:00~7:30 pm
  • 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
  • 用語: 日本語 (通訳なし)
  • 共催: 国際日本文化研究センター[日文研]
  • 会費: 無料 (要予約・定員150名)

中国における「大衆文学」という概念は、戦前、中国近代の小説家である郁達夫が日本語の大衆文芸の概念を中国に移植した時に始まりました。このため1930年代に中国で起きた「文芸の大衆化運動」は、日本から受けた影響が大きいと言われています。しかし、それがどのようなものだったのか、多くは解明されていません。そして1980年代以降、「改革開放」によって、文学、映画、アニメ、漫画といった中国の大衆文化は、新たな展開を迎えました。王氏によると特に日本文学は中国に浸透し、松本清張に代表される推理小説、渡辺淳一などの中間小説、村上春樹に象徴される流行小説などが、中国で多くの読者を獲得しています。本フォーラムでは、中国の「大衆文学」における日本文学の受容について、松本清張を中心にお話しいただき、文学を介した今後の中日文化交流の可能性について考えます。

略歴: 王 成 (ワン・チェン)

Photo:王成中国・山東大学外国語学部日本語科卒業、北京外国語大学・北京日本学研究センター修士課程修了、立教大学文学研究科博士課程修了。研究分野は日本近現代文学、比較文学・文化。主著に『「修養の時代」で読む文学―日本近現代文学作品研究』(北京大学出版社、2013 年)、「清張ミステリーと中国―映像メディアの力」(『松本清張研究』14 号、松本清張記念館)など。


2014年度より、国際文化会館(アイハウス)と国際日本文化研究センター(日文研)は、多角的に現代日本や日本人理解を深めるためのフォーラムを、シリーズで開催していきます。