2003年度 アイハウス・パブリック・プログラム

    “A Two-Party System for Japan: Possible? Probable? Desirable?”

  • 講師: スティーブン・R・リード(中央大学教授 )
  • 司会: 田中 愛治 (早稲田大学教授)
  • 日時: 2003年12月12日(金)7:00 pm
  • 会場: 国際文化会館講堂
  • 用語: 英語(通訳なし)
  • 略歴:スティーブン・R・リード

    スティーブン・R・リード(Steven R. Reed)教授は中央大学総合政策学部教授で、日本政治、特に比較政治学、選挙制度、公共政策に力点を置いた研究をしている政治学者です。ミシガン大学で政治学の博士号を取得。アラバマ大学、千葉大学、ハーバード大学、東京大学などで教鞭をとったのち現職。選挙制度研究、政治改革等に関する多数の論文を発表。主要著書に『日本の政府間関係:都道府県の政策決定』(木鐸社 1990年)、Japan Election Data: The House of Representatives, 1947-1990 (Ann Arbor, MI: Center for Japanese Studies, University of Michigan, 1992)、Making Common Sense of Japan (Pittsburgh, PA: University of Pittsburgh Press, 1993) があります。 田中愛治教授は早稲田大学政治経済学部教授で、現代日本政治、特に投票行動論や政治意識の分析を中心とした実証的研究の第一人者として知られる政治学者です。オハイオ州立大学で政治学の博士号取得後、道都大学(北海道)、東洋英和女学院大学、青山学院大学を経て、現職。国民(有権者)の意識構造の変化に関する論文を多数執筆。主要共著に『政治過程論』(共著、有斐閣アルマ 2000年)、『政治学』(共著、有斐閣 2003年)があります。

    格差を生きる:未来への道筋
    UNEQUAL WORLDS: And the Roads Ahead

  • 講師: ハロルド・W・アトリッジ(エール大学神学部長 )
  • 日時: 2003年10月28日 (火) 及び29日(水)6:00pm―9:00pm
  • 会場: 国際文化会館講堂
  • 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)
  • 講師: マズナ・ビンティ・モハマッド(マレーシア)(マレーシア科学大学 政治社会学部助教授)
  • “東南アジアにおけるイスラムの挑戦:起源と展望”

  • 日時: 2003年10月28日 (火)6:00pm―9:00pm
  • 講師: ハミド・バシャイブ(インドネシア)(アクサラ財団研究員・活動家・著述家)
  • 「インドネシアの軍隊:民主主義の略奪者か、あるいは擁護者か?」

  • 講師: ハム・ソムナン(カンボジア)(カンボジア協力平和研究所副所長・上級研究員)
  • 「メディアと民主主義:カンボジアの視点から」

  • 講師: スパラ・ジャンチーファ(タイ)(バンコク・ポスト紙記者)
  • 「”マイノリティー・リポート”を探し求めて」

  • 講師: 楊光 ヤン・グァン(中国)(中国社会科学院西アジア・アフリカ研究所所長・教授)
  • 「エネルギーの格差とパートナーシップ」

  • 日時: 2003年10月29日 (火)6:00pm―9:00pm
  • 講師: 鄭鎭星 チョン・ジンソン(韓国)(ソウル国立大学社会科学部教授)
  • 「変わりつつある在日コリアンのアイデンティティ:被害者意識からの脱却?」

  • 講師: 中野嘉子(日本)(香港大学日本研究学科助教授)
  • 「日本の暮らし、アジアの夢:炊飯器からテレビドラマまで」

  • 講師: マリアン・パストール・ロセス(フィリピン) (芸術批評家・キュレーター・Tao, Inc.代表)
  • 「ミュージアムと帝国:21世紀初頭の素描(スケッチ)」

  • パラグミ・サイナート(インド)(フリーランス・ジャーナリスト)
  • 「不平等の時代:市場原理主義の時を生きる」

    「アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム」は、国際文化会館と国際交流基金アジアセンターの共同事業として1996年度より実施しているもので、アジア諸国のさまざまな分野において際立ったリーダーシップ能力を発揮している専門家を毎年5~8選抜し、フェローとして最長3ヶ月招聘するプログラムです。フェローシップ期間のうち、9月から10月にかけての2ヶ月間は、全員が国際文化会館に滞在しますが、本年度は「アイデンティティ、安全保障、そして民主主義」という総合テーマのもと、セミナーやワークショップ、地域社会が抱える問題とそれに対する取組みの様子を視察するフィールド・トリップ等を行っています。こうした共同作業を通じてフェロー間の相互理解を深め、共通の問題意識を醸成するとともに、専門分野を越えた人的ネットワークを形成することを目的としています。この公開シンポジウムでは、民主主義に対する軍事的脅威、移民の権利、グローバル化がもたらす様々な影響など、各フェローがそれぞれの問題意識について、この2ヶ月間の共同作業の成果を交えて報告します。

    *各日とも発表の後は質疑応答の時間を設ける予定です。

      U.S Policy Toward a Changing World:
      A New American Century or the End of the American Era ?

    • 講師: チャールズ・クプチャン(外交問題評議会シニアフェロー/ジョージタウン大学教授)
    • 日時: 2003年7月15日(火)7:00 pm
    • 会場: 国際文化会館講堂
    • 用語: 英語(通訳なし)
    • 略歴:チャールズ・クプチャン

      Having received his Ph.D. in political science from Oxford University, Prof. Kupchan is an internationally acclaimed scholar specializing in national security and international relations. Prior to joining the Council on Foreign Relations, he served as Director for European Affairs at the National Security Council, the White House. His latest book, The End of the American Era: U.S. Foreign Policy and the Geopolitics of the Twenty-first Century (New York: Alfred A. Knopf, 2002), has triggered lively discussion among not only scholars but also the general public in the United States. Its Japanese translation will be published from the NHK Publishing Co., Ltd. in October.

      The Cutting Edge:
      How Japanese Architects are Pushing Design Forward

    • 講師: クリフォード・ピアソン(Architectural Record誌 編集者)
    • コメンテーター: 隈 研吾
    • 日時: 2003年5月27日(火)7:00 pm
    • 会場: 国際文化会館講堂
    • 用語: 英語(通訳なし)
    • 日本の建築(家)は世界的な建築誌Domusでもしばしば取り上げられるように、世界で注目され続けています。丹下健三、黒川紀章、磯崎新、槇文彦、安藤忠雄、長谷川逸子、山本理顕、伊東豊雄、青木淳、大江匡、坂茂、など多くの建築家が脚光をあび、海外で仕事をしています。なぜこのように日本建築が世界を惹きつけるのでしょうか。今回の講演では、米日財団メディア・フェローとして来日中のピアソン氏に、2ヶ月間の調査・観察を基礎にして、世界の建築のトレンド及びその中における日本建築の位置付け、さらに将来的な展望を視野に入れながらその魅力について論じていただく予定です。また「世界が求める日本建築」(『外交フォーラム』2003年1月号)を書かれた、建築家の 隈 研吾氏 をコメンテーターとしてお招きしています。

      略歴:クリフォード・ピアソン

      クリフォード・ピアソン(Clifford Pearson)氏は、都市研究と法律をコーネル大学で学び、コロンビア大学で建築史の修士号を取得。1981年から建築ジャーナリストとして活動を開始、1989年より建築誌Architectural Record の編集陣に加わり、主としてアジア建築を担当しています。またNew York Times 紙やWashington Post紙などにも多数の記事が掲載されています。主な編著書としては、Modern American Houses: Four Decades of Award-winning Design in Architectural Record (New York: Harry Abrams, 1996 )、Indonesia: Design and Culture: Java, Sumatra, Sulawesi, Bali ( New York: Monacelli Press, 1998 ) があります。

      新渡戸フェロー在外研究報告会/パネル・ディスカッション

    • 「インターネット時代における在外研究:21世紀の国際学術交流への提案」
    • 司会: 牟田博光 (1980-82新渡戸フェロー、東京工業大学大学院教授・同教育工学開発センター長)
    • 日時: 2003年3月27日 (木) 4:00~8:30 p.m.
    • 会場: 国際文化会館講堂
    • 用語: 日本語(通訳なし)
    • 当国際文化会館では、日本の社会科学のさまざまな分野で将来指導層となり、また学術文化の国際交流を積極的に進めていく意欲と能力を持つ人材の養成を目指して、1976年より「社会科学国際フェローシップ・プログラム」を実施しております。国際相互理解の増進に先駆者的役割を果たした故新渡戸稲造博士(1862-1933)ちなんで「新渡戸フェローシップ」とも呼ばれているこのプログラムは、毎年若手の社会科学研究者数名を選抜し、海外の大学・研究機関に派遣するもので、現在は、国際交流基金、大和日英基金、アジア会館などからの助成により運営されております。今年度より、二十一世紀文化学術財団(木川田記念財団)の助成による木川田フェローシップが新設され、2003年度派遣の第1次フェローも決定いたしました。これまでに派遣されたフェローの総数は149名に達し、現在も6名のフェローが在外研究を行っております。

      今年度帰国いたしましたフェローの在外研究報告会を下記の通り行います。第1部で各フェローより個々の在外研究についてご報告いただいた後、第2部のパネル・ディスカッションでは、インターネットが普及して手軽に国際的なやりとりができるようになった現在、フェローシップを得て海外での研究を行うことの意義、在外研究を通して得た貴重な経験をこれからの国際学術交流にどう生かすか等について、若手研究者の観点から日本人海外派遣フェローシップ事業全般に対する要望なども含め、帰国フェローの方々に自由にお話しいただきます。報告会終了後、フェローの方々との懇親会を予定しております。

      <2000-01年派遣フェロー>

    • 川島富士雄(金沢大学法学部助教授(国際経済法)米国・ジョージタウン大学ローセンター)
      「自由貿易原則と国家規制主権の相克とその調整-国際経済法における内国民待遇原則を中心に-」
    • 野田昌吾(大阪市立大学法学部助教授(ヨーロッパ政治史)ドイツ・ミュンスター大学政治学研究所)
      「戦後西ドイツの政治経済体制の特質に関する比較政治学的・歴史学的研究」(国際交流基金・新渡戸フェロー)
    • 上田真理(福島大学行政社会学部助教授(社会保障法)ドイツ・ミュンスター大学政治学研究所)
      「ドイツ自治体就労政策と社会政策-失業の新たな戦略を求めて」
    • 宇野重規(東京大学社会科学研究所助教授(政治学・政治思想史)フランス・社会科学高等研究院)
      「現代フランスにおける政治哲学の動向」(国際交流基金・新渡戸フェロー)
    • <2001-02年派遣フェロー>  

    • 髙井哲彦(北海道大学大学院経済学研究科助教授(西洋経済史)フランス・INSEAD経営大学)
      「建設談合システムの国際比較-フランス、日本、アメリカ-」(国際交流基金・新渡戸フェロー)