70周年記念ドキュメンタリー短編
『THREE ARCHITECTS』

 

     

    戦後モダニズム建築の傑作とされる国際文化会館。
    資材の乏しいなか、戦後10年で竣工し、建築する喜びと平和への思いに溢れています。
    建物を共同設計した3人の巨匠、前川國男、坂倉準三、吉村順三が設計にこめたものとは。

    上映時間:17分41秒
    出演:皆川明(デザイナー)、アナ・トストエス(建築家・建築史家)、青木淳(建築家)、藤森照信(建築家、建築史家)、萬代恭博(建築家)※登場順
    監督:新山正彰
    撮影監督:小山一平
    言語:日本語・英語
    製作:Geek Pictures

前川國男(1905~1986年)新潟生れ。1928年、東京帝国大学工学部建築学科卒業の翌日にパリへ渡り、ル・コルビュジエの事務所に入所。1930年に帰国すると東京にあったアントニン・レーモンドの事務所に入所。1935年自らの事務所を開設。代表作に、東京文化会館、紀伊國屋ビル、東京海上ビル、埼玉県立博物館など。

坂倉準三(1901~1969年)岐阜県羽島郡の造酒屋に生まれる。東京帝国大学文学部美術史学科美術史を卒業後、1929年に渡仏。1931年、ル・コルビュジエ事務所入所。1937年、パリ万博日本館の設計で建築部門グランプリを受賞。1940年、自らの事務所を開設。代表作に神奈川県立近代美術館、東京日仏学院、新宿西口広場・駐車場など。

吉村順三(1908~1997年)東京市本所区緑町の呉服店に生まれる。1931年東京美術学校建築科卒業。在学中からアントニン・レーモンドの事務所で働き始める。1941年、自らの事務所を開設。代表作に俵屋旅館、奈良国立博物館新館、軽井沢の山荘(吉村山荘)など。皇居新宮殿の基本設計も手掛けた。

 

モダニズム建築の巨匠、前川國男、坂倉準三、吉村順三による異例のコラボレーションで設計された国際文化会館。港区名勝指定の日本庭園と見事に調和し、戦後モダニズム建築の傑作と称されるその建物は、終戦からわずか10年の1955年に竣工し、翌年、日本建築学会賞を受賞。資材の乏しい時代において建築する喜びと平和への思いが溢れる唯一無二の建物です。本作では、若かりし頃にル・コルビュジエに師事し、アントニン・レーモンドと働いていた国際感覚あふれる3人の建築家たちが、当時の日本において、国際的な文化施設をつくるにあたり設計にこめたものを、様々な切り口から彼らを知る人々にたずねました。
 インタビューに応えてくれたのは、ミナペルホネンのデザイナーで、日ごろから坂倉準三、吉村順三の建築に親しんできた皆川明氏。建築家で建築史家の藤森照信氏は、歴史的観点から設計の経緯を分析。青木淳氏は建築家ならではの知見で設計の意図を分析し、萬代恭博氏は建築家のバックグラウンドから解説。アナ・トストエス氏は国際的な観点から国際文化会館の建物の意義を読み解きました。