2012年度 日米芸術家交換プログラム フェロー プロフィール

デイビッド・ブリック David Brick, 振付家

2012年5月16日~8月15日
デイビッド・ブリックデイヴィッドはフィラデルフィアを拠点とするヘッドロング・ダンスシアターの創設者であり、共同演出家です。ヘッドロング・ダンスシアターは、ユニークな動きのボキャブラリーから展開し、ウィットに富み現代文化を解釈した作風で有名です。日本に滞在中は、安藤忠雄建築の瞑想的な構造を研究し、これらの作品に思う存分浸りたいと考えています。また彼の建築から衝撃を得て、ヴィジュアル・デザインと振付を組み合わせたダンス作品に転化できるような詩的な物語を見つけようと思っています。大阪、神戸、四国、京都を中心に安藤建築を訪ねる予定をしており、将来的なコラボレーションを模索するため、瀬戸内国際芸術祭と関係性を築きたいと思っています。

ロン・ヘンダーソン Ron Henderson, 景観設計家

2012年2月19日~6月18日
ロン・ヘンダーソンロンはサイトスペシフィックな生態環境や庭園をデザインする事務所L+Aの創設者です。これまで公園や広場、緑道、キャンパス、屋上緑化、都市デザインなどを手掛けてきました。日本滞在中は、以前から続けている“Routine Maintenance”のリサーチを拡張して各地を訪ね、春のお花見など、パフォーマティブな文化的景観の経験を重ねたいと思っています。また、剪定や枝打ち、雪吊りなど、日本の園芸に特有な技術を仔細にわたり観察するつもりです。これらの観察は、前作の“Routine Maintenance: Caring for Plants in China”(毎日の手入れ:中国における植物の育て方)と共に、アコーディオン折りのスケッチブックに、写真とサイトスペシフィックな小規模のプロジェクトを添えて記録される予定です。

ジェイソン・カーン Jason Kahn, 作曲家

2012年7月17日~10月14日
ジェイソン・カーンジェイソンの音楽は、ヨーロッパ、世界の展示場や美術館、ギャラリー、フェスティバル、クラブなど様々な場所やシチュエーションで作られてきました。2002年より“Unheard Cities”というタイトルの作品に携わっており、人が都市環境の中でいかに音を認知するかを調べています。このプロジェクトは、街での録音や住人へのインタビューにより成り立っていますが、日本滞在中もシリーズを続け、“Unheard Kyoto”と“Unheard Tokyo”というラジオ作品を二つ作るつもりです。ジェイソンにとって、圧倒的な密度をもつ東京のサウンドスケープと、京都の静かで透明な音環境は、対極にある二つの日本の都市環境を代表しています。

シンイチ・イオヴァ・コガ Shinichi Iova-Koga, ダンサー・振付家

2012年5月27日~8月22日
シンイチ・イオヴァ・コガシンイチは、振付家やダンサー、音楽家、ビジュアル・アーティスト、演出家、役者らが共同で作品をつくるパフォーマンス集団inkBoatの創設者です。シンイチは幼少期に日本で育ち、伝統芸術である尺八や舞踏、柔道や合気道を学んだことがありますが、日本でそれらを習ったり、またそれらの伝統芸術が発祥したコンテクストを味わったことはありません。日本では、様々なタイプの民俗舞踊をその環境にどっぷりとつかって学びたいと考えています。またいかに武道がダンスに通ずるかを見極めたいと思っています。

ブライアン・ターナー Brian Turner, 作家

2012年5月16日~8月29日
ブライアン・ターナーブライアンは二冊の詩集をだし、数々の文学賞を受賞した詩人です。元アメリカ軍の軍曹で彼の作品は、主にイラク戦争の事後処理のことを扱っています。彼の家系は軍人一家で、父親は東京近辺の基地に駐屯し、祖父は第二次世界大戦中、太平洋で戦いました。ブライアンが来日する理由は二つあります。彼の家族の個人史に深い影響を与えた日本の文化を経験し、その影響を彼個人の人生にまで及ぼし、日本の文化と歴史に芸術的に応答すること、そして詩を通して、日米間に横たわる戦争の歴史の目撃者となり、二つの国家がいかに悲劇から繁栄へと進み、相互理解を育てられるのかを示すためです。ブライアンは主に東京や京都に滞在し、各地を旅する予定です。


年度別日米芸術家交換プログラムフェロー
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